東証前引け 小幅続伸 買い先行も米高官発言で失速
8日午前の東京株式市場で日経平均株価は小幅続伸した。前日比21円78銭(0.09%)高い2万3352円10銭で前場を終えた。中国商務省は7日夕、米国との貿易協議で、発動済みの追加関税を段階的に撤廃する方針で一致したと発表した。協議の進展期待から前日の米株式相場が上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は一時、約1年1カ月ぶりに2万3500円を上回った。ただ、その後は利益確定売りに押され、下げに転じる場面もあった。
米国のナバロ大統領補佐官は米東部時間7日夕、米フォックスニュースのインタビューに対し「現時点では『第1段階』の合意条件として関税撤廃を含めることに合意はない」と述べた。この報道が市場に次第に浸透し、売りに回る投資家が増えた。「国内年金基金が利益確定売りを出している」との声もあった。
JPX日経インデックス400と東証株価指数(TOPIX)も続伸した。
前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆6797億円。売買高は8億5920万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1102。値下がり銘柄数は936、変わらずは115銘柄だった。
前日に発表した19年4~9月期決算を受け、業績上振れ期待からテルモが急伸。1銘柄で日経平均を68円押し上げた。ソフトバンクグループ(SBG)やキリンHD、リクルートも上昇した。半面、ファストリや東エレク、ダイキンが安い。資生堂は大幅安。バンナムHDや中外薬も下落した。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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