東証前引け 大幅反発、29年半ぶり高水準、幅広い銘柄に買い
24日午前の東京株式市場で日経平均株価は大幅反発し、前週末比669円27銭(2.6%)高の2万6196円64銭で前場を終えた。一時は2万6212円と、取引時間中としては1991年5月以来の水準まで上げた。新型コロナウイルスのワクチン開発期待や前日の米株式相場の上昇で投資家がリスクを取る姿勢を強めた。
英製薬大手のアストラゼネカが23日、オックスフォード大学と共同開発する新型コロナウイルスのワクチンの臨床試験で、高い有効性を確認したと発表した。ワクチンの早期普及で世界的に経済活動が正常化するとの期待が高まり、東京市場では不動産や鉄鋼など景気敏感株を中心に幅広い銘柄が買われた。
バイデン次期米大統領がイエレン前米連邦準備理事会(FRB)議長を米財務長官に任命することを検討していると米メディアが相次いで報道。トランプ米大統領が政権移行業務を容認する姿勢を示したとも伝わった。市場からは「米国で新政権に向けた準備が進み、追加の経済対策が早期に成立するとの観測が高まってきた」(国内証券ストラテジスト)との指摘があった。
東証株価指数(TOPIX)が取引時間中としては18年10月以来およそ2年ぶりの高値をつけた。JPX日経インデックス400は反発した。前引け時点の東証1部の売買代金は概算で1兆4491億円、売買高は6億9948万株だった。東証1部の値上がり銘柄数は1884と、全体の約9割を占めた。値下がりは240、変わらずは52だった。
個別ではファストリ、ファナック、エムスリー、三井不、日本製鉄が高い。東エレク、信越化など半導体関連株も買われた。一方、KDDI、クスリアオキが下落。公募増資で資金調達する方向と伝わったANAHDが安かった。
〔日経QUICKニュース(NQN)〕
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