NY商品、原油が反発 新型肺炎の懸念和らぐ 金は上昇
【NQNニューヨーク=張間正義】5日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は6営業日ぶりに反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の3月物は前日比1.14ドル高の1バレル50.75ドルで取引を終えた。「中国の浙江大学の研究者が新型肺炎の効果的な治療薬を発見した」と報じられ、投資家心理の改善につながった。米株式相場が大幅上昇し、同じリスク資産とされる原油先物にも買いが入った。
新型肺炎の影響に伴う景気の下押しが短期間で収束するとの見方が強まり、原油需要の減少に対する懸念が和らいだ。WTIは前日に1年1カ月ぶりの安値を付けており、押し目買いも入りやすかった。
雇用サービス会社ADPが5日に発表した1月の全米雇用リポートでは、非農業部門の雇用者数が前月から29万1000人増え、市場予想(15万人増)を大幅に上回った。同月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数も市場予想を上回り、米経済の底堅さが意識されたことも買いを誘った。
ニューヨーク金先物相場は4営業日ぶりに反発した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である4月物は前日比7.3ドル高の1トロイオンス1562.80ドルで取引を終えた。4日に3週間ぶりの水準まで下落しており、自律反発狙いの買いが入った。もっとも、新型肺炎に対する懸念が和らぐなか、安全資産とされる金先物への買いの勢いは限られた。