NY商品、原油が5日続伸 米景気懸念の後退で、金は反落
【NQNニューヨーク=川内資子】4日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は5日続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で、期近の2月物は前日比0.87ドル高の1バレル47.96ドルで取引を終えた。米中貿易協議の再開見通しや好調な米雇用統計を受け、景気減速で原油需要が減るとの観測が薄れて買いが優勢となった。

中国商務省は4日、7~8日に次官級の米中貿易協議を実施すると発表した。貿易摩擦が世界経済の減速を招き、原油需要が減るとの警戒感がやや後退した。
昨年12月の米雇用統計で非農業部門の雇用者数が前月比で市場予想を大きく上回って増え、前月分も上方修正された。平均時給の伸びも拡大し、米労働市場の活況を示した。米景気が急減速するとの懸念が後退し、原油の買いを促した。
パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が4日に参加した討議で「我々は経済を支えるために迅速かつ柔軟に政策を見直す用意がある」などと述べた。利上げ停止の可能性を示唆したとの見方を誘い、米株式相場が上げ幅を拡大。値動きが大きく高リスク資産とされる原油先物を買う動きを誘発した。
ただ、2月物は上げ幅を縮める場面もあった。米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間の米石油在庫統計で、原油を精製して作るガソリン在庫が市場予想以上に増えた。ガソリン需要の鈍さが原油需給の緩みにつながるとの見方から原油が売られた。
ニューヨーク金先物相場は3営業日ぶりに反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である2月物は前日比9.0ドル安の1トロイオンス1285.8ドルで終えた。米雇用統計を受けて米景気の減速懸念が後退し、米株相場が大きく上昇した。投資家が運用リスクを取りやすくなり、実物資産の裏付けがある金先物が売られた。
前日夜には1300.4ドルまで上昇し、中心限月として昨年6月中旬以来ほぼ半年ぶりの高値を付けていた。