NY商品 原油が小幅続落、米リグ稼働数の増加で 金も続落
【NQNニューヨーク=神能淳志】2日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は小幅に続落した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の8月物は前日比0.03ドル安の1バレル56.93ドルで取引を終えた。6月の米雇用統計が市場の期待ほど改善しなかったのを受け、原油先物には緩和的な金融政策が長引くと見た買いが先行。一方、将来の需給の緩みも意識され、次第に売りが優勢に転じた。
雇用統計では非農業部門の雇用者数の増加幅が市場予想をやや下回った。賃金の伸びも横ばい圏にとどまり、米連邦準備理事会(FRB)は早期の利上げには動きにくくなるとの見方が原油先物相場の買いを誘った。
外国為替市場でドルがユーロなどに対して弱含んだことも、ドル建てで取引される原油先物の割安感を意識させ買いを促した。原油先物は一時57.95ドルまで上昇した。
買いが一巡した後は次第に売りが優勢に転じた。米石油サービス会社が午後に公表した油田開発に使う掘削設備(リグ)の稼働数が米国では前週から増えた。うち原油のリグ稼働数は2014年12月以来およそ7カ月ぶりの増加に転じたため、将来の需給の緩みが意識された。通常取引後の時間外取引では56ドル台半ばまで下げた。
ガソリンとヒーティングオイルは反発した。
ニューヨーク金先物相場は3日続落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である8月物は前日比5.8ドル安の1トロイオンス1163.5ドルで終えた。ギリシャ政府が5日に実施する予定の国民投票の結果次第で金融支援を巡る欧州連合(EU)との交渉が再開される可能性がある。一部では協議再開に向け楽観的な観測もあり、リスク回避の受け皿資産とされる金には売りが続いた。金先物は雇用統計の発表前に一時1155.8ドルと3月18日以来およそ3カ月半ぶりの安値を付けた。
銀は続落し、プラチナは反落した。