NY商品、原油が反発 需給改善期待が支え 金は反落
【NQNニューヨーク=戸部実華】20日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は反発した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の11月物は前日比0.18ドル高の1バレル51.47ドルで取引を終えた。需給改善を期待した買いが優勢だった。週前半まで9月下旬以来の高値圏にあったため、短期的な利益を確定する売りが出て上値は重かった。
石油サービス会社ベーカー・ヒューズが20日公表した米国の石油掘削装置(リグ)の稼働数は前週比で7基減った。リグ稼働数の減少は3週連続で、生産減を見込んだ買いにつながった。
今週はイラク軍がクルド自治政府から産油地帯キルクークを制圧し、石油施設が通常操業に戻ると見込まれている。ただ、20日時点ではクルド自治区からの原油輸出は通常を下回っていると伝わり、需給悪化の懸念がひとまず後退した。
石油輸出国機構(OPEC)と非加盟国の協調減産が、来年3月以降も継続する可能性が高いと今週伝わった。世界的な原油需要の拡大観測と併せて、需給改善が続くとの見方も相場を支えた。
ガソリンは4日続伸した。ヒーティングオイルは4日ぶりに反発した。
ニューヨーク金先物相場は反落した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である12月物は、前日比9.5ドル安の1トロイオンス1280.5ドルで終えた。
19日夜、米上院が下院で可決済みだった2018年度の予算決議案を可決した。トランプ米政権の税制改革案の審議が本格化するとの期待が広がった。米国債が売られて米長期金利は上昇し、金利が付かない資産である金の投資妙味が薄れた。ドルが主要通貨に対して上昇し、ドルの代替投資先として逆の値動きをしやすい金先物が売られた面もある。
銀は反落し、プラチナは続伸した。