NY円、続伸 1ドル=108円15~25銭、雇用鈍化で米利下げ観測
【NQNニューヨーク=古江敦子】7日のニューヨーク外国為替市場で円相場は続伸した。前日比20銭円高・ドル安の1ドル=108円15~25銭で取引を終えた。朝方発表の5月の米雇用統計で前月比の雇用者数の伸びが鈍化し、早期の米利下げ観測が強まった。ただ、米株式相場が上昇したため、円は伸び悩んで終えた。

5月の非農業部門の雇用者数の伸びは7万5000人と4月(22万4000人)から急減速し、市場予想(約18万人)も下回った。米中貿易摩擦が米景気の下振れリスクになるとの警戒感が広がった。米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長は4日に「景気拡大を維持するために適切な行動をとる」と述べており、市場では「早ければ7月にも利下げに動く」(モルガン・スタンレー)との指摘があった。
米長期金利の指標である10年物国債利回りが朝方に一時2.05%とほぼ1年9カ月ぶりの低水準をつけた。日米金利差の縮小を受け、円は一時107円88銭に上昇した。
買い一巡後は伸び悩んだ。米株式市場でダウ工業株30種平均が約1カ月ぶりの高値を付けた。投資家が運用リスクを取りやすくなるとの見方から、低金利で運用資金の調達通貨とされる円に売りを誘った。
円の安値は米雇用統計の発表前に付けた108円50銭だった。
円は対ユーロで続落し、前日比40銭円安・ユーロ高の1ユーロ=122円55~65銭で取引を終えた。対ドルでユーロが買われ、円に対してもユーロ買いが波及した。
ユーロは対ドルで続伸した。前日比0.0055ドル高い1ユーロ=1.1325~35ドルで終えた。一時は1.1348ドルと3月下旬以来ほぼ2カ月半ぶりのユーロ高水準を付けた。米雇用統計を受けて早期の米利下げ観測が強まり、ユーロ買い・ドル売りが膨らんだ。ユーロの安値は1.1269ドルだった。