NY円、続伸 1ドル=108円60~70銭、対ポンドでのドル売りが波及
【NQNニューヨーク=川内資子】17日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に続伸し、前日比10銭円高・ドル安の1ドル=108円60~70銭で取引を終えた。英国の欧州連合(EU)離脱を巡り英国とEUが修正離脱案で合意したのを受けてドルが英ポンドやユーロで下落した。対欧州通貨でのドル安が波及し、円買い・ドル売りにつながった。米国の景気減速を示唆する経済統計が相次いだことも円の買いを誘った。
英国とEUは17日、焦点となっていた北アイルランドの国境問題などを含む離脱の修正案で合意した。「合意なき離脱」が避けられるとの見方が強まり、欧州時間では対英ポンドやユーロでドル売りの流れとなり、円買い・ドル売りにつながった。
ニューヨーク市場では市場予想を下回る米経済指標が続き円買い・ドル売りを誘った。9月の米住宅着工件数は前月比で大きく減少し、9月の鉱工業生産指数も市場予想以上に低下した。米景気の減速基調が強まる可能性が意識された。
円の高値は108円46銭、安値は108円77銭だった。
円は対ユーロで6日続落し、前日比40銭円安・ユーロ高の1ユーロ=120円80~90銭で取引を終えた。
ユーロはドルに対して続伸し、前日比0.0055ドル高の1ユーロ=1.1120~30ドルだった。英のEU離脱への警戒感が和らぎ、ユーロ買いが優勢だった。ただ、欧州市場でユーロは1カ月半ぶりの水準まで上昇したため、ニューヨーク市場では利益確定の売りも出てユーロ高の勢いは限られた。
英とEUの修正案が英議会で19日に予定する採決で可決されるかどうかを見極めたいとのムードも強かった。17日には北アイルランドの地域政党が新離脱案を支持できないとの意向を示したと伝わった。EU離脱の実現性を巡る不透明感は残った。
ニューヨーク市場でのユーロの高値は1.1132ドル、安値は1.1102ドルだった。
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