NY円、小幅続落 1ドル=108円65~75銭で終了、米政府が為替介入否定
【NQNニューヨーク=横内理恵】26日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に続落し、前日比05銭円安・ドル高の1ドル=108円65~75銭で取引を終えた。4~6月期の米経済成長率が市場予想を上回ったのに加え、米政府がドル安誘導のための為替介入を否定したと伝わったことが円売り・ドル買いを誘った。週末だったうえ、来週の米中貿易協議の行方を見極めたいとして取引終了にかけては下げ渋った。
4~6月期の米実質国内総生産(GDP)速報値が前期比年率2.1%増と市場予想(2.0%増)を上回る伸びとなった。個人消費が4.3%増えるなど堅調だったほか、政府支出も増加し、設備投資や輸出の減少を補った。1~3月期からは減速したものの、潜在成長率(2%)並みの伸びを維持したことで米景気減速への過度の懸念が後退した。
米政治メディア「ポリティコ」が26日、ナバロ米大統領補佐官(通商担当)が23日に米中貿易交渉を有利に展開することなどを目的としたドル切り下げを提案したが、トランプ米大統領らが却下したと報じた。国家経済会議(NEC)のクドロー委員長もCNBCのインタビューで、米政府が協議の結果、為替介入の可能性を除外したと述べた。トランプ米大統領はたびたびドル高に強い不満を示してきたが、為替相場に介入する可能性は低いとしてドルの買い安心感につながった。円は108円83銭まで下落する場面があった。
ただ円売りの勢いは限られた。米中が来週再開する貿易協議の閣僚級会合について、クドローNEC委員長が「包括的な合意を期待していない」などと述べた。交渉が進展するとの期待が後退し、リスク回避の際に買われやすい円の下値を支えた。この日の円の高値は108円60銭だった。
円は対ユーロで反発し、前日比20銭円高・ユーロ安の1ユーロ=120円85~95銭で取引を終えた。前日の欧州中央銀行(ECB)理事会を受けて早期の緩和観測が強まったのがユーロの重荷となった。英国の合意なき欧州連合(EU)離脱への警戒感もユーロ売りを誘った面があった。
ユーロは対ドルで反落し、前日比0.0015ドル安い1ユーロ=1.1125~35ドルで終えた。市場予想を上回った米GDPがユーロ売り・ドル買いを誘った。ユーロの安値は1.1112ドル、高値は1.1144ドルだった。