NY円、横ばい 1ドル=109円55~65銭 買い先行後伸び悩む
【NQNニューヨーク=古江敦子】15日のニューヨーク外国為替市場で円相場は横ばい。前日終値と同じ1ドル=109円55~65銭で取引を終えた。15日に発表された低調な米中の経済指標を受け、円買いが先行した。米大統領が自動車への追加関税導入の判断を先送りする見通しと伝わると、相対的に低リスク通貨とされる円は伸び悩んだ。

中国の4月の主要経済指標が市場予想を下回り、欧州市場で円が買われた流れを受け継いで始まった。4月の米小売売上高が前月比0.2%減と市場予想(0.2%増)に反して減ったうえ、4月の米鉱工業生産も低下し市場予想に届かなかった。米景気減速を意識した円買い・ドル売りが出て、一時109円15銭まで上昇した。
午前中ごろ、「トランプ米大統領は自動車への追加関税導入の判断を最大で半年先送りする」と米主要メディアが報じた。貿易摩擦への警戒感が和らぎ、米株式相場が上昇に転じた。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、低金利で運用資金の調達通貨とされる円は急速に上げ幅を縮めた。一時は109円69銭まで下落した。
円は対ユーロで小幅に上昇し、前日比5銭円高・ユーロ安の1ユーロ=122円70~80銭で取引を終えた。一時は122円08銭と1月3日以来の円高・ユーロ安水準を付けた。
ユーロは対ドルで小幅に3日続落した。前日比0.0005ドル安い1ユーロ=1.1195~1205ドルで終えた。低調な中国の経済指標やイタリア財政懸念の再燃などを背景にユーロ売り・ドル買いが先行した。米大統領による自動車への追加関税導入の判断先送りが伝わると米欧貿易摩擦への警戒感が後退し、ユーロは急速に下げ幅を縮めて終えた。15日の安値は1.1179ドル、高値は1.1225ドルだった。