NY円、小幅続伸 1ドル=107円80~90銭で終了、米長期金利低下で
【NQNニューヨーク=岩本貴子】3日のニューヨーク外国為替市場で円相場は小幅に続伸し、前日比05銭円高・ドル安の1ドル=107円80~90銭で取引を終えた。独立記念日の祝日前で参加者が限られるなか、日米金利差の縮小を意識した円買いがやや優勢だった。一方で株高を受けた円売りも出て上値は重かった。
米民間雇用サービス会社ADPが3日朝発表した6月の全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月から10万2000人の増と市場予想ほど増えなかった。米景気減速の影響が雇用に及び始めたとの懸念から米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待が高まり、米長期金利が低下した。日米金利差の縮小を意識した円買いが優勢になり、円は107円57銭まで上昇する場面があった。
追加の金融緩和の期待が強まる欧米の中央銀行に比べ「日銀は追加の緩和余地が少ないと受け止められている」(邦銀の為替トレーダー)ため円買い圧力がかかりやすくなっている。ドルが一部の新興国通貨に対して売られ、対円にもドル売りが波及した面もある。
上値は重かった。3日の米株式市場でダウ工業株30種平均は4日続伸し、過去最高値を9カ月ぶりに更新した。投資家が運用リスクを取る姿勢を強め、投資資金の調達通貨とされる円には売りが出た。祝日を控えて米株式市場などが短縮取引だったため、持ち高を一方向に傾ける動きが乏しかった面もあった。
円の安値は107円88銭だった。
円は対ユーロで3日続伸し、前日比20銭円高・ユーロ安の1ユーロ=121円55~65銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで下落し、前日比0.0010ドル安い1ユーロ=1.1270~80ドルで終えた。6月の英サービス業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を下回り、欧州経済の減速懸念から売りが先行した。
一方、トランプ米大統領が3日午前に「中国と欧州は為替操作ゲームをしていて、米国と競争するために資金をつぎ込んでいる」とツイッターに投稿した。欧州の追加緩和が難しくなるとの思惑からユーロは上げに転じる場面があった。
ユーロの高値は1.1312ドル、安値は1.1272ドルだった。
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