NY円、上昇 1ドル=108円35~45銭で終了、米長期金利の低下で
【NQNニューヨーク=岩本貴子】13日のニューヨーク外国為替市場で円相場は上昇し、前日比10銭円高・ドル安の1ドル=108円35~45銭で取引を終えた。米長期金利が低下し、日米金利差の縮小観測を背景にした円買いが優勢だった。地政学リスクの高まりを受け、低金利通貨の円にリスク回避目的の買いが入った面もあった。
米財務省が午後に結果を発表した30年物国債入札の結果が「好調」と受け止められた。金利低下にもかかわらず30年物国債への需要が強かったとの見方から、幅広い年限の米国債が買われた。米長期金利の指標である10年物の米国債利回りは一時2.08%まで低下(価格は上昇)し、円買い・ドル売りが入った。
イランとアラビア半島を隔てるホルムズ海峡付近で日本の船舶を含む2隻の石油タンカーが攻撃された。ポンペオ米国務長官は13日の記者会見で、「イランに責任がある」と主張した。米国とイランの緊張が一段と高まるとの懸念を背景に円が買われた面もあった。円の高値は108円25銭だった。
上値は重かった。13日の米株式市場でダウ工業株30種平均が約1カ月ぶりの高値を付けた。根強い早期の米利下げ観測を背景に、リスク資産に資金が流入しやすい地合いが続くとの見方から円が売られる場面があった。
円の安値は午前に付けた108円53銭だった。
円は対ユーロで続伸し、前日比25銭円高・ユーロ安の1ユーロ=122円20~30銭で取引を終えた。対ドルでの円買いが対ユーロにも波及した。
ユーロは対ドルで小幅に続落し、前日比0.0010ドル安い1ユーロ=1.1270~80ドルで終えた。英国の欧州連合(EU)離脱を巡る不透明感から、引き続き欧州通貨に対してドルが買われた。
ユーロの安値は1.1268ドル、高値は1.1296ドルだった。
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