NY円、反落 1ドル=111円45~55銭で終了、米中協議進展で売り
【NQNニューヨーク=川内資子】3日のニューヨーク外国為替市場で円相場は反落し、前日比20銭円安・ドル高の1ドル=111円45~55銭で取引を終えた。米中の貿易協議の合意期待や中国の景気懸念の後退を背景に、低金利で調達資金になりやすい円は売り優勢だった。

英フィナンシャル・タイムズが2日、ワシントンで3日に再開した米中貿易協議について「最終合意が近い」と報じた。協議結果を慎重に見極めたいとする市場関係者は多いが、両国が折り合う姿勢を示しているとの期待を誘った。
中国の3月の非製造業購買担当者景気指数(PMI)が上昇した。投資家のリスク回避姿勢が和らいで米長期金利が上昇し、日米の金利差拡大の見方から円売り・ドル買いが入った。
ただ、3日発表の米経済指標が市場予想を下回ったためドル売りも出て、ニューヨーク市場の円相場は方向感に乏しかった。3月のADP全米雇用リポートで、非農業部門の雇用者数(政府部門を除く)は前月比で市場予想ほど増えなかった。3月の米サプライマネジメント協会(ISM)非製造業景況感指数は市場予想以上に低下した。
円の安値は111円51銭、高値は111円31銭。値幅は20銭と小さかった。
円は対ユーロで反落し、前日比55銭円安・ユーロ高の1ユーロ=125円20~30銭で取引を終えた。投資家のリスク回避姿勢の後退による円売りが出た。3月のユーロ圏の非製造業PMIの改善もユーロ買いを促した。
ユーロはドルに対して上昇し、前日比0.0025ドル高い1ユーロ=1.1225~35ドルだった。欧米の経済指標を受けて、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。
ユーロの高値は1.1251ドル、安値は1.1225ドルだった。