NY円、反発 1ドル=107円85~95銭、日米金利差の縮小観測で
【NQNニューヨーク=戸部実華】2日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反発し、前日比55銭円高・ドル安の1ドル=107円85~95銭で取引を終えた。米長期金利が低下し、日米金利差が縮小すると見込んだ円買い・ドル売りが優勢だった。

米債券市場で長期金利の指標である米10年物国債利回りは前日比0.05%低い(価格は高い)1.97%で通常取引を終えた。心理的な節目の2%を下回り、日米金利差の縮小を意識した円買いにつながった。
世界景気の減速懸念が根強く、リスク回避の際に買われやすい円を支えた面もあった。英中央銀行イングランド銀行のカーニー総裁が2日の講演で「貿易摩擦の激化で世界と英国の経済成長の下振れリスクが増した」と述べた。1日までに発表された6月のユーロ圏や中国などの製造業購買担当者景気指数(PMI)が市場予想を下回っており、世界景気の不透明感が意識されやすかった。
ペンス米副大統領が米ニューハンプシャー州で予定されていたイベントを突然中止したと2日伝わった。「地政学的な緊急を要する事態があったのではないかとの思惑を誘った」(邦銀為替ディーラー)のも円買いにつながったとの指摘があった。
円の高値は107円77銭、安値は108円29銭だった。
円は対ユーロで続伸し、前日比55銭円高・ユーロ安の1ユーロ=121円75~85銭で取引を終えた。
ユーロは対ドルで横ばいだった。前日と同じ1ユーロ=1.1280~90ドルで取引を終えた。欧州中央銀行(ECB)が7月の理事会で「追加の金融刺激策を急がない」との見方が伝わった。市場では利下げ観測が強まっていたため、ユーロ買いが先行した。
一方、欧州連合(EU)は2日の臨時首脳会議で、ECBの次期総裁にクリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金(IMF)専務理事を起用すると決めた。積極的な金融緩和を支持してきたラガルド氏はドラギ現総裁の緩和路線を引き継ぐと受け止められ、ユーロは伸び悩んだ。
ユーロの高値は1.1312ドル、安値は1.1283ドルだった。