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【NQNニューヨーク=川内資子】11日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3日続落し、前日比1円円安・ドル高の1ドル=111円95銭~112円05銭で取引を終えた。一時112円17銭と1月中旬以来ほぼ半年ぶりの円安・ドル高水準を付けた。貿易摩擦の激化が世界経済を押し下げるとの警戒感が高まり、資源国や新興国を中心に幅広い通貨に対してドルを買う動きが優勢となった。
トランプ米政権は10日夜、中国に対する制裁関税の追加措置案を公表した。中国も報復に出る構えを示し、貿易摩擦が激化すれば世界経済を下押しする可能性が意識された。景気が減速すれば原油などの資源需要が減ったり、新興国から資金を引き揚げる動きが加速するとの見方が浮上。オーストラリアドルやトルコリラなどに対してドルが買われた。
米国のインフレ観測の高まりがドル買いを促したとの指摘もあった。6月の米卸売物価指数(PPI)は前月比0.3%上昇と市場予想以上に伸びた。米連邦準備理事会(FRB)が利上げを続けやすくなるとの見方につながった。
円の高値は110円97銭だった。
円は対ユーロで5日続落し、前日比30銭円安・ユーロ高の1ユーロ=130円70~80銭で取引を終えた。
ユーロはドルに対して続落し、前日比0.0075ドル安い1ユーロ=1.1665~75ドルだった。貿易摩擦の激化観測を背景としたドル買いが優勢だった。ユーロの安値は1.1666ドル、高値は1.1758ドルだった。
カナダドルは対ドルで下落した。カナダ中央銀行は11日、政策金利の引き上げを決めた。ポロズ総裁は会合後の記者会見で、米国との貿易摩擦が景気押し下げと物価押し上げの両方の圧力を招く可能性があると指摘し、影響を注視する姿勢を示した。市場の一部では今後の利上げペースが緩むとの思惑が浮上し、カナダドル売りを誘った。