NY円、反発 1ドル=108円25~35銭 メキシコ関税受けリスク回避の買い
【NQNニューヨーク=古江敦子】5月31日のニューヨーク外国為替市場で円相場は4営業日ぶりに反発し、前日比1円35銭円高・ドル安の1ドル=108円25~35銭で取引を終えた。一時は108円28銭と1月中旬以来4カ月半ぶりの円高水準を付けた。米政府が30日、メキシコに追加関税を課すと発表した。貿易摩擦の激化が警戒され、低リスク通貨とされる円に買いが膨らんだ。
米政府の発表を受け、アジアと欧州で円高・ドル安が進んだ流れを引き継いだ。トランプ米政権は不法移民流入を巡るメキシコの対策が不十分だとして同国に最大で25%の追加関税を課す方針。企業活動が停滞し世界景気が減速しかねないとの懸念が強まり、リスク回避時に買われやすい円が上昇した。
貿易摩擦の激化を受け、米連邦準備理事会(FRB)が年内に複数回の利下げに動くとの予想を発表する米金融機関が相次いだ。米長期金利の指標である10年物国債利回りが2.12%と1年8カ月ぶりの低水準をつけ、日米金利差の縮小を見込んだ円買いが入った。
円の安値は朝方に付けた108円90銭だった。
円は対ユーロで上昇し、前日比1円00銭の円高・ユーロ安である1ユーロ=120円95銭~121円05銭で取引を終えた。一時120円93銭を付け、1月上旬以来の円高・ユーロ安水準となった。貿易摩擦への警戒感が増し、ユーロに対しても円買いが優勢となった。
ユーロは対ドルで上昇。前日比0.0040ドル高い1ユーロ=1.1165~75ドルで終えた。米利下げ観測が強まり、ユーロ買いが優勢となった。ユーロの高値は1.1179ドル、安値は1.1137ドルだった。
メキシコの通貨ペソは対ドルで急落し、1ドル=19ペソ台後半と1月上旬以来の安値で終えた。