NY円、3日ぶり反落 1ドル=111円60~70銭、米金利上昇や株高で
【NQNニューヨーク=滝口朋史】29日のニューヨーク外国為替市場で円相場は3営業日ぶりに反落した。前週末に比べ15銭円安・ドル高の1ドル=111円60~70銭で終えた。米長期金利の上昇を背景に日米金利差が縮小するとの観測が後退した。米株式相場の上昇が続き、低金利で運用資金の調達通貨とされる円が売られた面もあった。
米商務省が発表した3月の個人消費支出(PCE)が前月比0.9%増と2009年8月以来9年7カ月ぶりの伸び率となり、市場予想(0.7%)も上回った。米経済の7割を占める個人消費の勢いは鈍っていないとの見方が広がり、米長期金利が上昇(債券価格は下落)し、円売り・ドル買いを誘った。
米株式市場では機関投資家の多くが運用指標に据えるS&P500種株価指数とハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数がともに連日で過去最高値を更新した。投資家が運用リスクを取りやすくなっているとの見方も円の重荷だった。円は111円90銭まで売られる場面があった。
売り一巡後は下げ幅を縮小した。米連邦公開市場委員会(FOMC)を30日~5月1日に控え様子見姿勢が強かった。日本が10連休中で市場参加者が少なく少額の取引で相場が動きやすく、持ち高調整目的の円買い・ドル売りが相場を支えた。円の高値は111円64銭だった。
円の対ユーロ相場は5営業日ぶりに反落し、70銭円安・ユーロ高の1ユーロ=124円90銭~125円00銭で終えた。対ドルで持ち高調整目的のユーロ買いが優勢になったのを受け、円に対してもユーロが上昇した。
ユーロは対ドルで続伸し、0.0035ドルユーロ高・ドル安の1ユーロ=1.1180~90ドルで終えた。4月のユーロ圏景況感指数が市場予想を下回ったのを受けユーロ売り・ドル買いが先行したが、売り一巡後は持ち高調整目的のユーロ買いが優勢になった。
ユーロの高値は1.1187ドル、安値は1.1146ドルだった。