豊肥線の復旧、4月に着手 JR九州
JR九州は21日、熊本地震で被災した豊肥線の復旧に4月から着手すると発表した。4月1日付で肥後大津(熊本県大津町)に復旧事務所を設け、まずは肥後大津―立野(同県南阿蘇村)間で工事を開始。同区間の運転再開を目指す。ただ、土砂崩れに巻き込まれた箇所の復旧は県による治山工事の完了が前提になり、運転再開まで1年以上はかかる見通しだ。
同区間は橋梁の損傷に加え、線路が斜面崩壊に巻き込まれるなどしている。青柳俊彦社長は同日の定例記者会見で、治山工事が終わり線路を敷ける状態になってから「1年程度かかる」と述べた。熊本県によると、同区間の治山は2017年度中にめどが立つ見通し。
最も大規模な斜面崩壊は立野―赤水(同県阿蘇市)間で起きた阿蘇大橋の崩落現場。国直轄の事業として橋や道路の復旧を進めているが、線路復旧工事については着手のめどは立っていない。
全体の復旧費用は48億円と見積もるが、詳細は今後詰めるため変わる可能性もあるという。
豊肥線は大分と熊本を結ぶ路線。現在は肥後大津―阿蘇(同県阿蘇市)で運転を見合わせており、JR九州はバスによる代替輸送を実施している。
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