鹿児島の3大開発、動く にぎわい創出知恵絞る

2016/3/19 1:30
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鹿児島市の中心部で3つの大きな都市開発案件が動き出しつつある。市交通局跡地では複合施設の概要が明らかになった。県や市は2つの案件で2016年度当初予算案に関連事業費を計上。都市間競争が激化するなか、県庁所在地の魅力を高め、交流人口増にもつなげようとしている。

「鹿児島の地方創生の先駆的な事業になる」。南国殖産(鹿児島市)の永山在紀社長は同社などでつくる共同事業体による複合施設開発への意気込みを語る。舞台は市交通局跡地。JR鹿児島中央駅から1.5キロメートル程度の場所にある。

この「キ・ラ・メ・キ テラス」は総事業費が500億円規模。92億5千万円で取得する電車通り側用地(約2万4500平方メートル)で20年3月をメドに全面開業する。2つの病院のほか、スポーツクラブ・温浴施設、マンション、ホテルなども整備する。

同用地には3件の事業提案があった。市幹部らでつくる選定委員会の採点が最も高く、提案価格がより高かった同事業体が「優先交渉権者」に選ばれた。永山社長は「中央駅前、天文館地区を含む3つの面が有機的につながり、発展するまちづくりをしたい」という抱負も持つ。

その中央駅東口で進むのが「中央町19・20番街区市街地再開発」。約4400平方メートルの敷地に高さ約100メートルの商業・業務施設や共同住宅などで構成する予定だ。19年度中の完成を目指しており、総事業費は200億円程度の見通しだ。

再開発ビルの施工にあたる特定業務代行者に南国殖産を代表構成員とする共同企業体が決まった。再開発準備組合の庵下龍馬理事長は「中央駅の複合商業ビル『アミュプラザ鹿児島』と違った機能を盛り込み、中央駅周辺の回遊性を高めたい」と意気込む。

そして中央駅から市電で5分程度の天文館地区では千日町1・4番街区再開発協議会が再開発ビル建設のための準備組合を3月下旬に設立する方針だ。同事業は商業施設の「タカプラ」を中心とする合計で約6千平方メートルが対象。「天文館に昔のにぎわいを取り戻す起爆剤になりたい」と同協議会の牧野田栄一会長。

県や市も再開発の支援を本格化。県は中央町19・20番街区の再開発の支援事業に15年度で約3800万円を計上し、16年度の予算案で約8200万円に増額した。千日町1・4番街区も16年度の予算案に新たに約4900万円を盛り込んだ。

天文館地区では鹿児島銀行も19年秋をメドに新本店ビルを完成させる計画を持つ。一部を地元に開放する方向で「人が集まる施設にしたい」(上村基宏頭取)意向だ。

「アジアや世界に通用するまちづくりをしたい」と話す伊藤祐一郎知事は「近代的な都市には機能や景観の充実、にぎわい空間の創出などの要素が求められる。市とも十分に意思疎通をしながら取り組む」と語る。

鹿児島港本港区のドルフィンポート敷地周辺のにぎわい創出のために必要な施設のあり方を話し合う「検討会」の1回目も24日に開催予定。再訪したくなる魅力ある街をどうつくるのか。関係者の知恵が問われている。

(鹿児島支局長 松尾哲司)

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