宗像大社 ご神体、第二・第三宮に戻る 正遷座祭、厳かに
世界文化遺産に登録された宗像大社の辺津宮(福岡県宗像市)で15日夜、同大社沖津宮(沖ノ島)と中津宮(大島)の分霊をまつる第二宮・第三宮の社殿修復工事が終わり、ご神体が戻る「正遷座祭」が行われた。正装した神職ら約40人がたいまつの明かりの中、厳かに祝詞を上げた。

午後7時半すぎ、笛の音が鳴り響く中、神職らがご神体を載せた2体のみこしを本殿からかつぎ、約100メートル離れた裏手の第二・第三宮に移動。それぞれの新しい社殿で、ご神体を戻す神事が行われた。
大社によると、沖ノ島への渡航が制限されているため、第二・第三宮を参拝することで代わりとする信仰があるという。いずれも1975年に建造されていたが、傷みが激しくなったため3月から修復工事を初めていた。その間、ご神体は本殿に移されていた。
第二・第三宮は唯一神明造りという建築様式で、伊勢神宮の73年の「式年遷宮」の際に社殿が下賜された。今回の修復工事でも2013年の式年遷宮で出た材木を使って修復したという。
同大社の大塚宗延・権禰宜(ごんねぎ)は「沖津宮への渡航は制限されるが、代わりに多くの人に両宮に参拝してもらい、古代から続く信仰の息吹を感じてほしい」と話していた。
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