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川内原発、説明会が終了 審査や運営に住民不満も

九州電力の川内原子力発電所(鹿児島県薩摩川内市)の再稼働に向け、初めての住民説明会が9日、同市内で開かれた。原子力規制庁の市村知也・安全規制管理官は、「福島原発事故の教訓をとりいれて規制を徹底的に見直した」と理解を求めた。予定を30分近く超過し、午後8時55分ごろ終了した。説明会は15日までに県内計5カ所で予定され、県と市は原発の安全性について住民の理解を得たうえで再稼働同意の手続きに入りたい考えだ。

川内原発の再稼働をめぐる住民説明会で、規制庁の担当者の話を聞く参加者(9日夜、鹿児島県薩摩川内市)

原子力規制委員会が9月10日、川内原発1、2号機に安全審査合格を出し、同原発は再稼働第1号となる見通しだ。10月9日夜は会場の川内文化ホール(同市)に住民約1000人が参加し、ほぼ満員となった。

説明会は午後7時ころにスタート。質疑応答では住民の男性が「原子力規制委員会の安全審査は科学的、技術的に厳正とはいえない」とただした。また、ある女性は「説明会の参加者を締め出すかのように、抽選とするのはいかがなものか」などとし、説明会の運営に対する不満の声も出た。規制庁は「(規制の)基準を大幅に引き上げて、リスクを大幅に引き下げた」などと応じた。

説明会終了後、薩摩川内市の岩切秀雄市長は「様々な質問があったことで川内原発の安全性についての理解が進んだ」とのコメントを発表。「立地自治体として今後、市議会の議論を踏まえて判断したい」とした。鹿児島県の伊藤祐一郎知事も「残る4会場でも同様の説明を御願いしたい」とのコメントを公表した。

規制庁の市村・安全規制管理官は終了後に記者会見し、「この1年2カ月、大変な苦労をして審査してきた。できるだけわかりやすく説明できた」と述べた。

再稼働への地元同意は原子力規制委員会の認可手続きと並び、再稼働の条件となっている。立地自治体である鹿児島県と薩摩川内市は同意手続きに入るには、国が関与する形で安全性などを住民に説明し理解を得ることを前提としていた。

県内での住民説明会はこの後、日置、いちき串木野、阿久根の各市とさつま町の4カ所で開かれる。その結果を踏まえ、薩摩川内市議会と岩切市長、鹿児島県議会と伊藤知事が再稼働への態度を表明する手続きに入る見通し。同市長、県知事とも従来から早期再稼働を求めており、最終的に同意する可能性が高い。

川内原発の30キロ圏には薩摩川内を含めて9市町が立地している。このうち日置、いちき串木野の両市議会は9月末、再稼働の同意が必要な「地元扱い」を求める意見書を可決した。出水市も鹿児島市など周辺6市町の首長による地元の範囲についての協議を呼び掛ける。周辺自治体からは、原発事故が発生した場合に避難が必要になるにもかかかわらず、意思表示の蚊帳の外に置かれていることへの不満が出始めている。

伊藤知事は同意の必要がある自治体を「県と薩摩川内市で十分」との主張を繰り返している。県と周辺自治体の溝は今のところ埋まっていない。

九電は今月8日、原子力規制委員会に川内1号機の安全対策工事の詳細な設計内容を記した「工事計画」などの書類を提出したが、2号機分は提出できていない。加えて規制委による計画内容の審査や「使用前検査」にも2~3カ月かかるとみられる。地元同意に手間取れば再稼働はさらにずれ込む可能性がある。

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