2019年3月23日(土)

奥能登、アートで元気に 国際芸術祭が3日開幕

2017/9/2 7:00
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石川県珠洲市を舞台に初めて開催される「奥能登国際芸術祭2017」が3日、開幕する。総合ディレクターは瀬戸内国際芸術祭(香川・岡山)などを手掛けた北川フラム氏で、11カ国・地域から39組のアーティストが参加して現代アートを展開する。市は10月22日までの50日間で3万人の来場者を見込み、人口減少に悩む地域の活性化につなげたい考えだ。

■金沢の21美と連携

金沢美術工芸大学のチームは古民家を使った作品を制作している

金沢美術工芸大学のチームは古民家を使った作品を制作している

芸術祭には日本のほか中国、ドイツ、インドなどの芸術家が参加し、船小屋や古民家、廃校になった小学校を活用するなどして、様々なアートを制作・展示する。芸術祭実行委員会では「前売りチケットが約1万4000枚売れるなど関心は高まっている」と話す。

さらに誘客するため、同じ現代アートを扱う金沢の21世紀美術館と連携。同美術館の中に芸術祭のPRブースを開設するほか、相互割引制度などを導入する。アクセス向上のため、北陸鉄道は金沢から珠洲市への特急バスを期間中1往復増やして1日6往復にする。

■ヨバレツアーなど企画

芸術祭の効果で宿泊施設の予約も好調だ。市内のあるホテルは「例年より2割程度アップしている」と話す。大型宿泊施設ではすでに満室の日もあり、民宿への問い合わせも増加。紹介しているNPO法人能登すずなりでは「昨年の数倍の電話がある」と説明する。

珠洲市では祭りの日に各家庭が親戚や友人、隣人らを多数自宅に招き、ごちそうでもてなす「ヨバレ」という風習が今でも残っている。こうしたヨバレ体験を組み込んだツアーや北川フラム氏とともに芸術祭を回るツアーも企画されている。

■芸術祭で移住者も

「(能登)半島の先端にある珠洲市は、自然や文化など豊かさが残る一方で、人口減が進む。そのギャップをアートの力で埋められないか。そんな思いで芸術祭を開催することにした」。泉谷満寿裕市長は強調する。

1960年代初めに約3万6000人だった人口は2016年には約1万5000人に。高齢化率も46.3%で年々上昇している。芸術祭が人口減の歯止めにつながれば、との思いは強い。

ボランティアスタッフの女性ら「芸術祭の関連で9人が移住してきた」(市企画財政課)など、効果も出始めている。泉谷市長は「芸術祭を機に珠洲の魅力を知ってもらいたい」と話している。

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