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広域行政の議論は続く 関西広域連合 夢と現実(3)

軌跡

関西経済連合会は1955年、府県を廃止して道州を設けるよう初めて提唱した。95年に国が広域連合の制度を設けたのを受け、広域連合から道州に移行する案を探ったが、府県知事らが反発した。2000年代に広域連合で地方分権をめざす方針に転換し、全国で初めて府県境を越えた広域連合が実現したのだ。

「道州制のあり方研究会」の座長を務めた新川同志社大学大学院教授

その関西広域連合は10年の設立時から、府県を維持したままで地方分権をめざしている。「将来、府県を廃止して道州制に移行する組織ではない」と申し合わせている。

しかし12年12月に政権に復帰した自民党は道州制推進を主張した。広域連合は「国主導による中央集権型の道州制にされないよう」(事務局)研究を始めた。

13年3月に設けた「道州制のあり方研究会」は、河川管理、インフラ整備から義務教育、税財政制度までどのような組織が担うべきかを学識者が議論した。14年3月の最終報告は「地域の個性を生かせるような枠組みを地域が自ら柔軟に選択できるようにすることが重要」と結論づけた。

関西広域連合は当初、7つの広域事務に取り組んだ。防災、観光・文化振興、産業振興、医療、環境保全、資格試験・免許交付、職員研修だ。やがてスポーツ振興、農林水産業振興、インフラ計画、エネルギー政策などを加え、着々と対象を広げている。

しかし、これらは府県や政令市が調整する事務が中心で、国から移管された事務ではない。一方、同研究会で議論した事務は国からの移管が前提だ。仮に実現すれば画期的な前進といえる。

研究会座長を務めた同志社大学大学院の新川達郎教授は「広域行政のあり方のメリット、デメリットを確認しながら、国からの事務移管のモデルを示せたのではないか」と話す。政治や社会の変化に合わせて広域行政の議論も揺れ動く。正解を見つけるまでなお時間を要するだろう。

(この項おわり)

次回は「小京都30年とこれから」

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