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「おじさん」奔走 基礎築く ルミナリエ つなぐ光(1)
軌跡

2016/12/6 6:00
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神戸市の中心街に2日夜、まばゆい明かりがともった。光の祭典「神戸ルミナリエ」は阪神大震災が起きた1995年の12月に始まり、今年は22回目。神戸の冬の風物詩として定着したが、継続には経費確保などの課題がある。鎮魂や神戸の魅力発信の思いを胸にした様々な人々が奮闘し、光を毎年つないでいる。

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開幕した「神戸ルミナリエ」。毎年多くの人が運営を支えている(2日、神戸市)

開幕した「神戸ルミナリエ」。毎年多くの人が運営を支えている(2日、神戸市)

「これは続けたい」。95年、ルミナリエの点灯式を訪れた当時の神戸商工会議所副会頭、太田敏郎氏(ノーリツ現名誉会長)は、復旧途上の街を照らす、イタリアの伝統行事由来の「光の彫刻」に感動。継続を兵庫県や市に提唱した。

初回は継続が前提ではなかった。「震災後の街に元気をもたらす事業」を当時の貝原俊民知事らが探り電通が大手スポンサーを得るなどして開催。復旧復興で自治体財政が厳しい中で続けるには、地元企業の積極参加が不可欠となる。太田氏は「自ら言った以上は」と、商議所で協賛企業集めの責任者を引き受けた。

開催には総額5億円は必要とされた。貢献する額を集めるには「各社のトップに直談判するしかない」と判断。決算の利益を調べた上で会い、数百万円などの協力を頼んだ。「やり過ぎ」との批判も商議所に集まったが、「神戸の人の心を明るくするため」などと説得。100社以上を回り、余剰額も出て2回、3回と続く基礎ができた。奔走を続けた太田氏は「ルミナリエおじさん」と呼ばれる。

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会場となる旧居留地の連絡協議会会長を務める野澤太一郎氏(ノザワ最高顧問)も、初回から支える民間人だ。通行が規制されるなどの不便もあるが「地域の大切なイベントになる」として協力。8年前には協議会による会場募金を呼びかけ、自らも街頭に立つ。

ただ、2回目からほぼ14日だった開催期間は2007年に12日、昨年から10日に短縮。一時500万人を超えた来場者が減少傾向の中、経費抑制などで昨年は3年ぶりの黒字にし、やり繰りを続ける。久元喜造神戸市長(ルミナリエ組織委員会会長)は「全国から注目されるイベントとしても貴重」と指摘。太田氏や野澤氏は明るい光を継ぐ若手の台頭を期待している。

神戸支局長 福田芳久が担当します。

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