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世界を視野、挑戦は続く 見えてきた水素都市・神戸(4)
軌跡

2016/7/1 6:00
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「水素サプライチェーン(供給網)の世界標準づくりも視野に入れている」。川崎重工業の西村元彦・水素チェーン開発センター副センター長は力を込める。

川崎重工業の播磨工場では水素を液化する設備の実証などが進む(兵庫県播磨町)

川崎重工業の播磨工場では水素を液化する設備の実証などが進む(兵庫県播磨町)

神戸港を起点とする水素供給網を2020年をめどに実証する企業の組合には川重や岩谷産業、Jパワーに加え、英蘭系石油メジャーのロイヤル・ダッチ・シェルの日本法人も入った。国際的ノウハウを供給網に反映する考えだ。

水素の液化機やタンクに既存技術を生かすのも、ビジネスモデルを日本主導で構築する狙いがある。実現すればコスト面にも好影響を及ぼす。

供給網で火力発電100万キロワット(約1基分)相当の水素を扱う規模になった際の水素の荷揚げ段階のコストは、1立方メートルあたり約30円と見込む。自然エネルギーより割安で大量利用でき、さらに水素の製造、液化、輸送などに日本の技術が使われれば、費用の「半分は日本に戻ってくる計算」(西村氏)という。海外勢が主導する天然ガスで「8割は海外に行ってしまう」(同)のと違いも出る。

ただ、供給網がこの規模になるには実証段階の約60倍の容量の船2隻が必要。20年の実証を契機に水素普及の機運が高まらないと進展は容易でない。

昨年末には温暖化防止の新たな国際枠組み「パリ協定」が採択された。二酸化炭素(CO2)の排出が多い化石燃料のコストをより重くする政策が、世界的に「いつか広がる可能性がある」(岩谷産業水素エネルギー部)。

脱炭素社会の到来をにらみ、褐炭から水素を製造するときのCO2排出抑制も進めるなど、「KOBE」発の仕組みの世界発信へ、参加者は挑戦を続ける。(この項おわり)

 次回は「大阪万博の記憶」

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