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ご褒美ポイント、健康増進に一役 大阪・高石市など、運動や健診で付与
たまれば商品券などと交換 医療費抑制めざす

2017/9/26 2:00
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健康のために歩いたり、がん検診を受けたりしてポイントをためると、景品や商品券に交換できる制度の導入が関西の自治体で相次いでいる。参加した住民には運動習慣の定着などがみられ、医療費の抑制効果も出ている。蓄積したデータを生かした施策のほか、企業を巻き込んだ新たな健康ビジネス創出への期待も大きい。

大阪府高石市は10月から3000人の参加を見込む「健幸ポイント事業」を始動する。2014~16年度に手掛けた同種事業を拡充し、対象となる市民を40歳以上から20歳以上に広げる。

■スマホで記録

参加者は市から貸与された歩数計(活動量計)か自分のスマートフォン(スマホ)を持ってウオーキングする。ローソンの情報端末「Loppi」や公民館・郵便局のデータ読み取り機、スマホのアプリから歩数データを送信すると、ポイントが付与される仕組みだ。

ストレッチや体操といった運動教室への参加、特定健診やがん検診の受診などでもポイントが得られ、ためたポイントは1ポイント=1円として商品券やスーパーの買い物券などに交換できる。

市によると、14~16年度の事業には市民2100人が参加。1日平均歩数は約8000歩と、実験開始前に比べて3割強、増えたという。

参加者と非参加者の医療費を比較すると、1人当たり年間約7万7000円の差があったと試算する。「健康増進に大きな効果があった」(健幸づくり課の田中宏樹課長)として、再開を決め、17年度は約3600万円の予算を投入する。

兵庫県尼崎市では健康ポイントで健診の受診者が増えた

兵庫県尼崎市では健康ポイントで健診の受診者が増えた

兵庫県尼崎市は年内にも、健康状態の変化の計測に乗り出す。オフィスワークや工場勤務などの職種の違いが、体脂肪率や血圧といった健康指標に与える影響を測ることを検討。日常の運動といった健康増進の取り組みで数値がどう変わるかも調べる方針だ。

効果を確かめたうえで、同市が企業などと15年から展開する「尼崎市未来いまカラダポイント」の事業拡大を目指す。市民は特定健診の受診や市の保健指導の利用、健康食品の購入などでポイントを受け取り、一定分たまると商品券やフィットネスクラブの無料利用券と交換できる。

■大手が参画

市によると、08~15年度の1人当たりの医療費の伸び率は神戸市や西宮市など近隣6市に比べ4ポイント低くなり、医療費抑制効果が出ているという。

主体となる協議会には味の素、ローソン、フィットネス大手ルネサンスなど尼崎市内に事業所や販路を持つ約35社が参画している。協議会の参加条件を満たすために、17年度には尼崎市内の販路を新規開拓した大手商社もあった。

「市民の協力を得て比較的手軽に健康効果を実証できる取り組みになっている。関心を持つ企業にとっては新たな健康関連ビジネスの開発につなげやすいのではないか」と市のヘルスアップ戦略担当はみる。

全国の自治体が導入した健幸ポイント事業のモデルを考案した筑波大大学院の久野譜也教授は、「『健康無関心層』に入り込み、健康行動を促すきっかけとなった」とみる。一方で「制度の枠組み整備には財源が必要で、自治体や健康保険組合だけでは継続は難しい。民間企業が支えられるようになるべきだ」と課題を指摘する。

■データ分析 企業と協力

ポイントとは別に市民の健康データを施策に生かそうとする動きもある。滋賀県草津市は7月、「健幸都市づくり」推進でNTT西日本とオムロンヘルスケア(京都府向日市)と連携協定を結んだ。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」や情報通信技術(ICT)を活用して事業モデルを構築する。

血圧計や睡眠時間を測定するねむり時間計などオムロンヘルスケアの健康機器を使って市民のデータを測定。データはNTT西日本の通信技術を活用し、個人のスマホやパソコンで閲覧できるようにし、生活改善に役立てる。

こうしたデータを分析、今後の市の施策につなげる。橋川渉市長は「新たなヘルスケアビジネスの育成にもつなげたい」と意欲をみせる。

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