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知の集積 復興とともに 医療産業 神戸で育つ(1)
軌跡

2017/8/28 17:00
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神戸市が人工島のポートアイランド内に整備する「医療産業都市」。1995年の阪神大震災からの復興を目指す中、次世代の医療産業の拠点を築こうと構想が立ち上がってから来年秋で20年。企業や研究所が集積し、世界的な技術革新に対応した成長を期す段階へ育ってきた。

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ゼロから出発した「医療産業都市」には、現在、300を超す企業・団体が集まる=神戸市提供

ゼロから出発した「医療産業都市」には、現在、300を超す企業・団体が集まる=神戸市提供

「我が国最大の医療クラスター(集積地)に成長した」。8月4日、東京都内で開いた神戸医療産業都市に関するセミナーで、久元喜造・神戸市長は強調した。進出した企業・団体数が338(7月末時点)と国内先行を誇る。

だが同都市の構想懇談会が発足した98年10月に、対象地域で目立つ施設は情報化対応のオフィスビル1棟。レジャーランド建設の構想があったが、震災で白紙になっていた。市は京都大学学長を経て当時は中央市民病院長だった井村裕夫氏に相談。医療産業を21世紀の成長分野とみた街づくりが、ゼロから出発した。

「何もないことは、利点にもなる」。同都市推進へ設立された先端医療振興財団の村上雅義専務理事は構想時を振り返る。遺伝子レベルなど先端医療技術へ関心が高まった時期だが、研究成果の実用化は容易でない。様々な研究拠点や病院、企業が集まる新たな街で、新技術を実用段階へ「橋渡し」しやすい体制を作れば、時代のニーズに応えられる。

構想懇談会は井村氏を座長に京大、大阪大学、神戸大学の医学部長らを委員にし、当時の厚生省、通産省からオブザーバーを迎えた。最初から特定の大学や省庁に依存せず、幅広く新たな知見を集める姿勢を表した。

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「医療産業都市」の構想懇談会が発足した1998年当時の風景=先端医療振興財団提供

「医療産業都市」の構想懇談会が発足した1998年当時の風景=先端医療振興財団提供

99年に中核施設の先端医療センターと理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(当時)が国で予算化され、構想は前進。復興に加え、「研究成果の橋渡しという『日本の課題』の解決」(村上氏)に挑む姿勢も奏功したようだ。

「従来の企業誘致とは違う」。懇談会に保健福祉局長として参加した矢田立郎・前神戸市長は米国の医療都市も視察。大企業の工場を主に招くような都市開発でなく、研究成果を生かす企業群を育てる新たな試みが続いていく。

神戸支局長 福田芳久が担当します。

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