地域に根差す競技に力注げ DCMダイキ会長 大亀孝裕さん(語る ひと・まち・産業) 瀬戸内なら海、景観を発信

2017/8/2 12:00
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■西日本でホームセンターを展開するDCMダイキ(松山市)の創業者、大亀孝裕会長(86)は県商工会議所連合会の会頭を務めたこともある愛媛県の著名な経済人。同時に今も県体育協会の会長として、地域のスポーツ振興に尽力している。その思いは陸上部に所属し、中長距離走を走った高校時代に原点がある。

おおがめ・たかひろ 1931年愛媛県丹原町(現・西条市)生まれ。愛媛県立西条南高校卒業後、52年愛媛県庁に。58年大亀商事、63年ダイキ設立。77年愛媛県体育協会副会長、99年同会長。

おおがめ・たかひろ 1931年愛媛県丹原町(現・西条市)生まれ。愛媛県立西条南高校卒業後、52年愛媛県庁に。58年大亀商事、63年ダイキ設立。77年愛媛県体育協会副会長、99年同会長。



「高校時代に1500メートルや3000メートル、5000メートル、駅伝を走った。中長距離走は練習の成果でタイムが良くなったときは、この上ない喜びがあった。だが、ふだんの練習は孤独で忍耐ばかり。仲よさそうに見えた球技のチームをうらやむこともたびたびあった」

「中長距離走の経験をありがたいと感じたのは会社を経営するようになってからだ。会社経営というのはまさに孤独との戦いで、忍耐の日々が続く。ここまでそれなりにやってこれたのは、陸上競技の経験のおかげもあると思っている。自分の体験からも、有為な人材を育むという面でスポーツ振興の意義は大きい」

「山田久志さん、イチローさん、王貞治さん、星野仙一さん、岡田武史さん、福原愛さんといった交流のある著名なスポーツ界の方々にも共感する面が多い。国内外で活躍されたり、前人未踏の記録を作られたりしたこうした方々にも必ず、華やかさの影に忍耐や孤独との戦いがあるからだ」

■今、尽力するのは9、10月に地元の愛媛県で開催される国民体育大会、全国障害者スポーツ大会の成功だ。激励するため、愛媛県の出場チーム、選手の練習や試合に足を運んだ回数は、これまで80回を超えた。

スポーツ界では人脈も広い(元阪急ブレーブスの山田久志氏(左)と)

スポーツ界では人脈も広い(元阪急ブレーブスの山田久志氏(左)と)

「愛媛県での国体は、前回は四国4県での共同開催だった。単県開催は今回が初めてであり、その意味でも県勢にはなんとか天皇杯(男女総合1位)、皇后杯(女子総合1位)を獲得してほしいと願っている」

「国体については確かに開催地にかかる負担の問題などから、見直すべき部分があるかもしれないが、その火は決して絶やしてはならないと思っている。地元開催を機に各種目の競技レベルは間違いなく向上するし、一定の施設整備も進む。国体の開催は今も確実にスポーツ、そして地域の振興につながっている」

■現在、ボート、弓道の実業団チームを持つDCMダイキはこれまでヨット、ビーチバレーのチームも擁してきた。その競技種目の選択には「海」というキーワードがある。

「これからの時代のスポーツ振興のあり方として提唱したいのは『一町一技』『一校一技』だ。人の数や財源が限られる中、力を注ぐ競技を地域に根差すものに絞り込むという考え方だ。瀬戸内海を擁する四国・中国地方は、海を舞台にした競技に力を注ぐといいのではないだろうか」

「『地域に根差す』というのは『地域の資源を生かし、振興につなげる』ということ。瀬戸内海を生かした競技を盛んにし、競技を通じてその美しい景観を世界に発信する。海以外に例えば山岳や川など、これからは愛媛県内の各地も何か1つずつ、地元の資源が生かせる競技を見いだしてくれればと願っている」

■マラソン・自転車が人気

《一言メモ》大亀会長が言う「地域に根差すスポーツ」には、国も推進する「スポーツ観光」が念頭にある。競技の舞台や周辺が魅力的だと参加者や観戦者が増し、にぎわいをもたらす。愛媛県では毎年2月に開催される「愛媛マラソン」と2014年から2年に一度、10月に開催されている国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ」が、県外や海外から多くの参加者を集めている。

2010年から市民マラソンになった愛媛マラソンは、瀬戸内海などが眺められる松山市内のコースが人気。愛媛県今治市と広島県尾道市を結ぶ自動車専用道の一部を通行止めにして自転車で走れるようにするサイクリングしまなみも、瀬戸内海に浮かぶ島々の風景を楽しむことができる。

(松山支局長 岩崎樹生)

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