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民間技術の系譜 30年超 見えてきた水素都市・神戸(2)
軌跡

2016/6/29 6:00
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神戸を拠点に水素エネルギーの供給網をつくる事業に参加する川崎重工業。播磨工場(兵庫県播磨町)には、液化水素を海上輸送するための大きな専用タンクの試作品が横たわっている。水素はセ氏マイナス253度に冷やすと液化する。この極低温で保存するため、魔法瓶と同じ二重構造を採用し、外側と内側の間を真空状態にしている。

岩谷産業は75年に1時間に10リットルの液化水素を製造するミニ設備を設け、事業の進展につなげた

岩谷産業は75年に1時間に10リットルの液化水素を製造するミニ設備を設け、事業の進展につなげた

魔法瓶構造は、実は1989年に完成させたロケットの燃料として液化水素を貯蔵するタンクに由来する。これまで真空を保ち続けている精密な加工や溶接の技術は「日本が得意としてきたところ」(同社の西村元彦・水素チェーン開発センター副センター長)でもある。

今回は海上運搬のためにタンクを船に安定して載せる技術も必要になるが、これには81年に完成させた液化天然ガス運搬船のノウハウも生きる。さらに、水素を液化するために膨張させて温度を下げる装置には、ガスタービンの技術を活用。「既存技術をできるだけ生かして」(同副センター長)新事業を創造しようとしている。

岩谷産業も神戸の事業につながる技術の歴史は長い。小ロットで試した上で、78年に国内初の液化水素製造プラントを尼崎市に完成させた。やはり当初はロケットの燃料利用を見込んだが、創業者の故・岩谷直治氏には「水素こそ将来のクリーンエネルギー」との思いがあったという。

液化水素の利用は工業用にも広がり、2006年には尼崎の6倍以上の規模の本格プラントを堺市に稼働させるなど拡大が続いている。

両社の技術などの神戸での連携が、どれだけ相乗効果を生むかが水素エネルギー普及へのカギになってくる。

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