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徐々に建て替え人口回復 千里ニュータウン再生(1)

軌跡

日本で初めての大規模な住宅都市、千里ニュータウンが生まれ変わろうとしている。1962年秋の街びらきから半世紀が過ぎ、団地建て替えが進み、人口も回復し始めた。住民の新しい交流や北大阪急行の箕面延伸に伴う千里中央地区の再整備など次の課題を見据えた動きを追った。

同ニュータウンは大阪府が都市の急成長による住宅難を解決するため、豊中市と吹田市の面積1160万平方メートル、人口15万人の街として計画した。面積のうち集合住宅と公園・緑地がそれぞれ21%、戸建て住宅が20%を占める。

開発初期の入居者のうち子どもらが独立して街を出て、人口は75年の13万人を頂点に減り続け、2007年に8万9200人強に落ち込んだ。しかし14年には9万6000人近くに回復した。「団地建て替えで若い世帯が入居したのが大きな要因」(大阪府都市居住課)とみられている。

公共賃貸住宅の建て替えの進み具合は差がある。最も進んだのが府住宅供給公社で2374戸、府営住宅が3000戸を3月末までに建て替えた。公社は05年に着手し、計画していた分を終えた。

市営住宅は36戸を終えたばかり。都市再生機構(旧日本住宅公団)は同ニュータウンで9100戸以上を管理するが、建て替えを団地の一部の棟に限る方針を決めており、まだ着工していない。

低層団地を中高層に建て替え、余剰地に民間マンションが建設される。ただ団地建て替えは住民合意が必要。住民の賛否が分かれ裁判となり、最高裁まで争った例もある。

北千里駅前の藤白台地区(吹田市)では公社住宅と府営住宅の合計2000戸弱を対象に建て替えが進む。藤白台連合自治会の小南康隆会長(70)は地元協議が進んだ背景について「街全体を考えた意見を求めた」と振り返る。

自治会に建て替えを考える委員会を設け、地域の幅広い意見を聞き取った。建て替える団地の住民にも周辺の戸建ての住民にもそれぞれ賛否があったが、府と公社、民間開発業者と徹底して協議した。

府、豊中市、吹田市、都市再生機構などは07年、千里ニュータウン再生指針をつくった。団地の建て替え時期を迎え、全国のニュータウンに先駆けて第2段階の街づくりを検討するためだ。指針作成に向けて提言した加藤晃規・関西学院大学名誉教授(68)は「50年たっても人口が増え、開発の成功例」と話す。同名誉教授は商店が入居する「近隣センター」の活性化、千里中央地区の再整備などを課題に挙げた。

シニアエディター 種田龍二が担当します。

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