2019年6月26日(水)

高松空港民営化、三菱地所側の提案公表 15年後に旅客307万人

2017/8/16 7:01
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高松空港の民営化に向けて国土交通省は15日、運営権について基本協定を締結済みの三菱地所を中心とする陣営の提案内容を公表した。提案では旅客ビルの増築や、格安航空会社(LCC)対応の駐機場などの設備投資を計画。国内外の路線数を倍増させ旅客数は2032年に現在の7割増の307万人を目指す。中四国では広島空港民営化も検討されており、高松空港の活性化の成否が影響を与えそうだ。

三菱地所の陣営は大成建設、建設コンサルタントのパシフィックコンサルタンツ、高松市のシンボルタワー開発で構成。2次審査を競った他の2陣営に比べ「設備投資額が突出していた」(国交省)。空港施設への大胆な投資や旅客数目標の評価が高く、基本コンセプトや活性化策など13項目中7つで最高点を得た。これまで同空港の運営は経常赤字が続いており施設充実でてこ入れする。

同陣営の提案では、既存の旅客ビルを改装・増築し事業展開しやすくする。保安検査後の待機所を現在の17倍超の3150平方メートルの広さに拡張。地元食材を使ったフードコートや瀬戸内ブランドの物販店を設ける。免税店も拡充する。

旅客数は16年度の185万人から15年後には307万人を目標とする。香川県が西日本の玄関口としてふさわしいと求めた250万人以上をクリア。商業エリアの収益を生かし着陸料を四国・瀬戸内エリアで最安値に引き下げる。LCCには割引し拠点化を進める。国内外の路線数を7から13に増やす。

具体的には国内線は現在の羽田、那覇、成田に加え、LCCが拠点とする福岡、中部国際、新千歳の3空港と結ぶ。国際線はタイ、シンガポール、北京を誘致し、台湾、香港など既存アジア4路線は毎日運航に増便する。誘致には県や高松市、経済団体などと協議会を新設し協力していく。便数増に合わせ搭乗ゲートや駐機場所、手荷物の受取場能力を拡大する。

地域と連携して搭乗客以外も集うにぎわいづくりに注力する。四国の特産品を販売できる屋外イベントスペースや、子供が遊べるアウトドア施設を構想。周辺の公園と組んだ集客策も検討する。

同空港は滑走路など基本施設を国が、旅客ビルを県や高松市が出資する第三セクターがそれぞれ運営している。

今後は三菱地所の陣営が特別目的会社(SPC)を新設。10月に国側と正式契約を結んで提案した運営権対価(入札額に相当)の50億円に加え、約16億円で第三セクターの株式を取得する。12月にビル施設の運営を開始、18年4月から空港全体を一体運営する。当初の運営期間は15年間で最長55年間まで延長できる。

高松空港を巡っては穴吹興産など地元企業を中心とする陣営も運営権取得を目指したが、かなわなかった。

高松空港の民間委託は国管理空港としては仙台空港に次ぎ2例目。大都市圏に比べ規模に劣る地方空港は経営面の課題が多い。高松空港は地方空港の民営化モデルとして全国の関心も高い。

広島県は16年10月、広島空港の民営化を目指す方針を表明。今年3月には空港経営改革に向けた基本方針を策定、21年ごろの実現を目指している。活性化の取り組みも進めており、広島空港の運用時間を10月から1時間延長するほか、広島―シンガポール線が14年ぶりに復活する予定だ。

民営化に向け7月、地元経済団体などを含む官民の新組織「空港経営改革推進委員会」が発足した。17年度の重要テーマとして「空港へのアクセス改善」などを掲げており、意見交換や情報発信を行っていく方針だ。

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