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「会話なくても信頼」150人まで ゴリラに学び 人を知る(7)

2016/4/28 6:00
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ゴリラ同士のコミュニケーションの中で、「最も面白くて特徴的なのは『グコグコグコ』という笑い声だ」と山極寿一氏は語る。笑い声を立てる生物はゴリラやチンパンジーなど類人猿しかいない。

しかしゴリラなど類人猿は言葉を話せない。「なぜ人間だけに会話をする能力が付いたのか。今も解明できていない」と山極氏は話す。

脳の進化について英国の人類学者ロビン・ダンバー氏(1947年~)が仮説を立てた。霊長類の集団規模が大きくなるにつれ、脳も大きくなって進化したというものだ。

しかし人間の脳は60万年前にすでに現代人並みに大きくなっていたのに対し、言葉を話すようになったのはずっと後の5万~10万年前のことだ。「話せるようになったから脳が大きくなったわけではない」と山極氏は指摘する。

人間の祖先は400万年以上前に大陸を移動するため直立2足歩行を始めた。楽しい時やうれしい時には声を発し、手や腰を振って踊り始めた。山極氏は「音楽や踊りが心を一つにする共感力を高め、言葉を生み出した」とみる。

人間の集団規模とコミュニケーションの関係について山極氏はこう定義する。10~15人は言葉を交わさずに意思疎通できる「共鳴集団」だ。サッカーやラグビーのチームが相当する。ゴリラの平均的な群れも10~15頭だ。30~50人は顔と性格が分かり一致して動ける集団。学校のクラスの人数だ。

100~150人は顔と名前が分かり、日ごろ会話をあまりしていなくても信頼のおける仲間だ。アフリカの狩猟採集民の集団は150人前後。山極氏は「年賀状を書く時に相手の顔が思い浮かぶのは150人ぐらい」と話す。集団規模が大きくなるにつれ、会話や文字によるコミュニケーションが必要になり、発達した。

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