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人柄示す手紙 140通現存 時をかける坂本龍馬(2)

軌跡

「日本を今一度せんたくいたし申候……」

坂本龍馬が慕う姉、乙女に送った手紙だ。腐敗した江戸の役人に憤り、「日本を洗い直し、変えたい」と政治的野望を抱いた。

「天下無二の軍学者勝麟太郎という大先生に門人となり……(略)すこしエヘン(略)エヘンエヘン」

この乙女宛ての手紙では、勝海舟の海軍で稽古することを誇らしく思い、エヘンと得意げに自慢している。龍馬のユーモアに満ちた人柄がうかがえる。

筆まめの龍馬が親族や仲間に送った手紙は約140通が現存している。乙女宛ての多くは子孫が保存し、昭和初期に京都国立博物館(京都市)に寄贈された。「手紙が残されていなかったら、龍馬の魅力は伝わらなかった。司馬遼太郎の小説『竜馬がゆく』や後の龍馬ブームは生まれなかっただろう」と同館の宮川禎一・上席研究員は語る。

昨年秋、同館で龍馬の特別展覧会が開かれた。44日間で約10万人が訪れ、人気を裏付けた。現在は長崎で巡回展示中。4月29日からは東京で開催する。

もっとも歴史学者は龍馬の実像を冷静にみる。薩長同盟は福岡藩士たちや中岡慎太郎も仕掛けていたことから、「龍馬は幕末に数多くいた政治代理人の一人にすぎない」(青山忠正・仏教大学教授)。龍馬が新国家構想の「船中八策」を船上で考えたという英雄談は、後世の創作話であるとの説も出ている。熊本藩の儒学者、横井小楠の新政府構想などに龍馬は影響を受けたとの見方だ。

歴史的な評価は研究者によって高低があるものの、「政治家や知識人を動かし、幕末の政局に影響を与えた英雄であることは確かだ」と勝海舟研究の第一人者の松浦玲・桃山学院大学元教授は語る。龍馬神話は時代を超えて受け継がれる。

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