2017年11月25日(土)

観賞花 世界で咲き誇れ 西日本、独自品種売り込み

2017/5/31 13:25
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 産地で開発された観賞花のオリジナル品種を海外に売り込む動きが大阪など西日本で広がっている。切り花の卸売市場を運営する「なにわ花いちば」(大阪市)などはスイートピーの米国販売を拡大、今年チューリップ栽培100年を迎えた富山県では四半世紀ぶりに台湾に球根を輸出した。外国産より流通価格は高いものの、形や大きさなどの特長が武器。果物、牛肉などに続く商機拡大を狙う。

 「富山産チューリップが海外に広まり、この先100年、200年と産地が継承されることにつながれば」と話すのは富山県の農家、水野豊範さん(66)。豊範さんは100年前に県内で初めてチューリップを栽培した水野豊造の孫に当たる。収穫期の6月を前に、病害などが発生していないか畑を見回る日々だ。

 富山県花卉(かき)球根農業協同組合(富山県砺波市)は昨年12月、台湾に「黄小町」「とやまレッド」など県が開発した品種など8000球を出荷した。輸出は戦前に始まったが、オランダ産などとの価格競争激化で1990年を最後に中断し、輸出再開は26年ぶり。

 今年の輸出交渉はこれからだが、同組合は台湾市場を調査するなど意欲的だ。農家などと協力して切り花を輸出、県産チューリップの品質を実際に見てもらうことで需要増につなげたいとする。

 なにわ花いちばや生産者らで運営する輸出推進組織「日本花き国際化推進協議会」(大阪市)は、北米でスイートピーの販路を拡大する。

 宮崎県が主な産地のスイートピーは米国での流通価格が平均より5割近く高いが、花の大きさや色の豊富さが評価され、結婚式など業務用が伸びている。特に宮崎県オリジナルの「ロイヤルホワイト」など、白やピンクの人気が高いという。

 16年度の協議会のスイートピーなどの輸出は2億1千万円と前年から3割近く増加。ニューヨークなど東海岸で販売してきたが、今年初めに西海岸で販売促進イベントを開くなど全米を視野に入れ、17年度は前年度比2割増を目指す。

 香川県は開発10年目となるカーネーションのオリジナル品種「ミニティアラ」の生産・販売ライセンスをオランダの大手種苗会社に供与、ケニアやコロンビアで栽培されている。女性の装飾冠に似た花の形の珍しさや、色の種類の豊富さが評価されている。

 今年1月には国内の生産者や関西の市場関係者ら約20人が「サミット」を初開催。各産地のリレー方式による市場への安定供給や、栽培データの共有、規格・品質の統一などを討議した。県は「花の認知度を高めて国内外のファンを増やしたい」と、目標に栽培に適したアジアの高地での通年での育苗・生産を掲げる。

 日本花き卸売市場協会によると、国内の花き卸売市場の総取扱額は1998年をピークに減少が続き、16年は3762億円と3割以上減った。国内の花き出荷額は東高西低の状態ながら、生産者などは産地活性化への思いを募らせる。

 岐阜大学の福井博一教授(園芸学)は「国内市場が縮小する中で海外に販路を求めるのは一つの方策だが、継続できるかがカギとなる。海外は単なる日本ブランドではなく日本のトップブランドを求めており、生産体制強化やブランドの確立が欠かせない」と指摘する。

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