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御堂筋80周年「泊まる」「住む」磨く
高さ規制緩和で新顔続々

2017/5/10 2:30
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ブランド店などの進出が目立つ大阪市のメインストリート御堂筋が、さらなる変貌を遂げようとしている。沿道の高さ規制の緩和で、ホテルやオフィスの複合ビルの建設計画が相次ぐ。都心回帰を追い風に周辺に超高層マンションも登場。「泊まる」「住む」機能を加えたまちづくりを模索する市は一段の規制緩和も検討する。完成から11日で80年。大阪から東京への本社移転などによる停滞感を脱し、にぎわいの拠点としてどこまで成長するか。

御堂筋の名前の由来となった沿道の真宗大谷派難波別院(通称・南御堂)。8月までに既存の建物を解体し、17階建てビルの建設が始まる。2019年にも境内を気軽に散策できる「寺院一体型」の新ホテルが誕生する。

建設主体は積水ハウスグループの積和不動産関西(大阪市)。上層部には都市型ホテル「エクセルホテル東急」(写真1、350室程度)が入居する予定だ。部屋から別院を眺めたり、別院で僧侶の説教を聞いたりでき、訪日客の文化体験需要を見込む。

システム開発のオービックも02年に長谷工コーポレーションから買い取った用地を活用し、御堂筋でホテルとオフィスの複合ビルの着工に月内に乗り出す。15年越しとなる物件だ。地上15~25階の上層階には三菱地所グループのロイヤルパークホテルズアンドリゾーツの運営するホテルが入居し、20年春に開業する予定だ。

ホテル計画が相次ぐ背景には、大阪市が実施した規制緩和がある。既存オフィスの建て替えを促すため、市は14年1月、御堂筋の淀屋橋駅―本町駅間に建つ建物の高さ規制を緩めた。従来の原則50メートルまでを維持しつつ、高層部の壁面を御堂筋から後退させた距離に応じて100メートル超のビル建設も可能にした。

同年3月には淀屋橋駅―本町駅間と本町駅―心斎橋駅間のビルの低層階にレストランや店舗などのにぎわいを生む施設を誘致することなどを条件に、ビルの容積率を従来の1000%から1300%まで認めることにした。

現在、市は高級ホテルなどの誘致に向けてさらなる規制緩和を検討中だ。ビルの容積率を緩和する条件の1つに「高規格ホテルの導入」を追加する方針。客室の床面積がシングルルーム15平方メートル以上、ツインルーム22平方メートル以上であることや観光バスの発着スペース設置を求める方向だ。

沿道周辺では高層マンションの建設も始まっている。東急不動産は10月に完成する地上38階建ての「ブランズタワー御堂筋本町」(写真2)を16年2月に発売した。御堂筋と中央大通が交差し、地下鉄本町駅に直結する好立地が受け、契約率は約9割と好調に推移する。

大阪市都市計画局の川田均局長は「オフィスの機能だけでは御堂筋の一層の成長は見込めない。海外からのビジネス客が宿泊する高級ホテルや、居住機能も整備されることで、(御堂筋が弱かった)夜間や休日のにぎわいが増す」と期待する。

■歩道を拡幅「車から人」へ

車から歩行者中心の御堂筋へ――。大阪市は歩道を拡幅するほか、沿道にくつろげる広場の整備を計画するなど、人の往来を重視する施策を進めている。

市は昨年11月、難波―難波西口交差点間の約200メートルの歩道を拡幅した。側道を廃止し、自転車通行帯を整備。歩行者と自転車が接触せずに往来できるようにした。

市によると、2012年度時点で御堂筋の自動車の通行量は約40年前に比べて4~5割減少した。その一方で自転車の通行量は6~7倍に増えた。長堀通と交差する付近(新橋交差点)を歩く歩行者は約35年前に比べ、約3倍になった。歩行者と自転車が歩道で混在し、「歩きにくい」という声が上がったため、歩道を広げることにした。

ここ数年のインバウンド(訪日外国人)客の急増で今の歩行者の通行量は12年度時点よりもさらに増えたとみられる。市は将来、側道の閉鎖と歩道の拡幅に取り組む区間を広げる方針だ。

市はミナミの御堂筋沿いにある高島屋大阪店の北側に、歩行者がくつろげる広場を整備する方針だ。観光案内所やカフェなどを設ける整備計画を17年度中に策定する。

 ▼御堂筋 国道25号と国道176号で構成される幅員44メートルの道路で、キタの阪急前からミナミの難波駅前までの約4.2キロ。1937年5月11日に完成した。大阪万博が開催された70年に南行きの一方通行となった。
 沿道の建物の高さは百尺(31メートル)に制限されてきたが、大阪市は95年に原則50メートルまでに規制緩和した。さらに2014年、100メートル超の建設も可能にした。

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