2019年4月25日(木)

炭素繊維 50億円事業に 小松精練、25年度メド 耐震補強に力

2017/8/2 6:02
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小松精練は炭素繊維事業を強化する。独自の耐震補強材が2018年をメドに日本工業規格(JIS)の認証を受ける見通しとなり、ビルや民家など幅広い建築物向けに売り込む。19年3月期にかけて5億円を投じ設備の集約と強化に着手。さらに受注動向をにらみつつ、約40億円かけて石川県内に新工場を建設する方針だ。25年度には売上高50億円を目指す。

中山賢一会長らが1日に東京都内で開いた事業戦略説明会で明らかにした。小松精練の炭素繊維事業の主力製品は、ロープ状の炭素繊維複合材「カボコーマ・ストランドロッド」。さびや結露が生じないうえ、鉄に比べてしなやかで伸びる。鋼製ワイヤと比べて強度は大幅に高いが、重量は5分の1と軽い。

これまでに同社の旧本社棟や長野県の善光寺の重要文化財「経蔵」などで耐震補強に使用。今後はJR西日本が駅に設置する昇降型のホーム柵の採用が増える。18年4月から休業する富士屋ホテル(箱根町)の耐震改修にも使われるという。18年にJISの認証を受ける見込みで、採用事例をさらに増やす戦略だ。

需要の拡大を見越して生産能力を増やす。19年3月期までに本社工場(石川県能美市)内の生産や検査の設備を1カ所に集約するほか、設備を増強。現在は月産1万メートルの生産能力を3~5倍に引き上げる。その後は25年度の売上高目標に合わせて新工場を建設し、生産能力をさらに高める。

現状のストランドロッドの価格は1メートルあたり3000円で、鋼製のワイヤとの比較では10倍程度高い。だが、巻いたまま手で持ち運びでき、軽量なため施工の作業効率も優れる。施工工程まで含めると鋼製のワイヤと比べて、価格差は2~3倍程度にまで縮まるという。今後は製品の量産化や施工方法の改良に取り組むことで、同等以下にまで抑える考えだ。

同社では文化財のほか、木造および非木造の建築物に使われる耐震補強材の市場規模を試算。13年度時点では150億円とみるが、老朽化する建物が徐々に増加することから20年度には300億円を見込む。市場が同規模で推移するなら25年度はこのうち1割を取りこむ計画を描く。

小松精練は炭素繊維事業でストランドロッドのほかに、老朽化した道路標識や信号の鋼管柱を補強するシート状の製品などを手掛ける。18年3月期の売上高は1億5000万円を見込む。炭素繊維製のボルトやナットのほか、木材を炭素繊維で補強する技術の開発にも着手。25年度にはストランドロッドで30億円、同事業全体で50億円規模にまで育てる。

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