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女子柔道皮切り 国籍不問 アスリートを支える(2)

軌跡

1988年、三起商行社長の木村皓一は取引先との付き合いでソウル五輪の観戦に訪れた。かつて講演に招いて知り合った元巨人の長嶋茂雄らと食事をしていると、同席した知人に「女子柔道の面倒を見ないか」と持ちかけられた。

田辺選手は1992年バルセロナ五輪から2大会連続で銀メダルを獲得(写真はバルセロナ五輪)

当時は「女子が足を広げてがーっとやるなど、とんでもない」(知人)時代。男子の強化には熱心な実業団チームも、女子の受け入れには及び腰だった。

まだ公開競技だった女子柔道を一目見てみようと木村が会場に足を運ぶと、66キロ級で佐々木光が金メダル、72キロ級で田辺陽子が銅メダルを取った。

2人は大学生で、卒業後に競技を続けられる当てはない。困っている人を見たら放っておけない木村の心が揺さぶられ、翌89年に田辺らの受け入れを決意。こうして同社のスポーツ支援は始まった。

所属契約を結ぶにあたっては「人柄、支援額、五輪出場の可能性を基準にふるいにかける」(執行役員の沢井英光)。契約した有名選手が後に別の企業へくら替えすることもあるが、木村は「(スポーツ支援を)商売としてへんから、巣立ってもろうてもそれでええねん」。選手のためなら喜んで踏み台になる。

支援するのは日本人に限らない。柔道女子70キロ級のジュリ・アルベアル(コロンビア)は2013年に所属選手になった。ミキハウス所属の山部佳苗のコーチが、アルベアルを指導する早川憲幸と親交があるよしみで契約に至った。

リオデジャネイロ五輪は決勝で田知本遥に敗れて銀メダル。アルベアルに6千万コロンビアペソ(約210万円)の報奨金を出した木村は早川にも同額を贈った。コロンビアで柔道の普及にも取り組む奮闘ぶりをたたえる意味もあり「ベストコーチ賞や」と木村。選手を支える裏方の頑張りも見落としはしない。(敬称略)

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