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市民も学ぶ「大学院の講義」 古代学への情熱(4)
軌跡

2017/6/9 6:00
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五月晴れの週末の昼下がり。京都市中心部に立つ京都府京都文化博物館別館の一室で、広い年代の男女約20人が机に向かい平安貴族、藤原実資の日記「小右記」を読み解いていた。

京都府京都文化博物館別館で開かれている古代学講座には老若男女が集う

京都府京都文化博物館別館で開かれている古代学講座には老若男女が集う

「場所はどこ? 誰の子供?」。指導する同志社女子大学嘱託講師、野口孝子の問いかけに受講生がてきぱきと答え、質問し返す。古代学協会が主催する「古代学講座」の一幕だ。

創設者である古代史学者、角田文衛が2008年に死去したのと前後して協会は体制を刷新した。専門家に絞っていた正会員の資格を一般に広げ、「志ある市民との連携」をうたい歩み始めた。市民向け講座はその主軸となる。

今年度前期はヒエログリフ入門や日本考古学の論争といった9講座が開かれ、延べ約180人が学ぶ。名古屋や東京、金沢からはるばる通う受講生もいる。

売り物は専門的な講義内容。「大学院レベル」と野口はいう。受講している京都市の主婦、山田喜代子が「原文を手探りで読み進め、間違えると何が原因か指摘してくれる。力が付く」と語ると宝塚市の塾講師、近藤公子も「カルチャーセンターにも通ったが物足りなかった。この講座は素人を研究者と同じまな板に載せてくれる」とうなずく。

協会理事の麻森敦子は「ほとんどの人が次の年も継続受講する。『勉強したい』との思いに応えたい」と市民研究者の育成に意欲をみせる。

来年は角田の没後10年と平安博物館開館50年。角田の自叙伝を収めた著作集の刊行など記念事業の準備が進んでいる。協会のシンボルマークには角田が残した言葉がギリシャ語で刻まれ、輝きを放ち続ける。「古きものはすべて尊(たっと)ばるべし」(敬称略)

=この項おわり

次回は「木の国、新ステージへ」

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