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ココム違反、社を揺るがす フロンと空調の二刀流(3)
軌跡

2015/8/6 6:00
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フロン事業を順調に拡大していたダイキン工業に1988年12月7日、大阪府警が家宅捜索に入った。対共産圏輸出統制委員会(ココム)による規制の対象となっていた高純度ハロン1443トンをソ連に不正輸出した容疑だった。ハロンはフロンと類似した物質で主に消火剤に使う。軍事転用が可能なため、わざわざ不純物を混ぜて輸出するはずが、誤って高純度のまま出荷してしまっていた。

ダイキン工業のココム違反を報じる本紙

ダイキン工業のココム違反を報じる本紙

通産省への報告が虚偽申告だったことが事件を大きくした。課長2人が逮捕され、1人は不起訴処分、もう1人は裁判で有罪となった。会社はココム規制対象国への輸出禁止6カ月の処分を受けた。化学担当副社長は引責辞任。89年6月の株主総会は休憩なしで5時間20分に及んだ。

不正輸出と隠蔽工作を疑われ、ダイキンの企業イメージは失墜した。創業者の長男で第3代社長の山田稔は総務担当常務として事件の処理にあたった井上礼之を、空席だった化学事業担当に据えた。井上は文系で化学の門外漢だったが、矢継ぎ早の対策で事業体質を改めていった。稔が課した試練には、次の社長を託せるかどうかを見極める狙いもあったという。94年、井上は第4代社長に就いた。

ダイキンが大阪府警の捜索を受けたその88年12月7日に、ソ連共産党書記長のゴルバチョフは国連総会で「2年以内に兵力を50万人削減する」と表明した。冷戦構造が崩壊に向かいつつある中での事件だった。(敬称略)

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