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専用劇場、演目の幅広く 淡路の人形浄瑠璃(2)
軌跡

2016/5/11 10:14
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2012年、淡路人形座は27年ぶりに福良湾の近くに戻った。1985年の大鳴門橋開通に伴い、観光客が集まる橋近くの大鳴門橋記念館内に移転していた。確かに県外からの観光客などで来場者数は増えたものの、勢いは続かない。舞台袖が狭くて演目が限られるなどの問題も生じたため、専用の劇場を設けて元の場所のすぐ隣に再移転した。

2012年に専用劇場として開業した淡路人形座(兵庫県南あわじ市)

2012年に専用劇場として開業した淡路人形座(兵庫県南あわじ市)

浄瑠璃の語り手である太夫の竹本友庄は「自分たちの建物がやっとできた」と喜ぶ。以前は記念館内に同居する他の施設との兼ね合いで活動が制限されていた。新施設は演目の変更や特別公演などがやりやすくなる。以前はいちげんさんの観光客ばかりだった客層も変わり、人形浄瑠璃のファンらリピーターが増えてきた。「客層が変わると、演じるほうも張り合いがある」と友庄。

再移転が決まった頃から、長く上演されなくなっていた演目の復活にも積極的に取り組む。観光客中心の公演では長時間だと敬遠されるため「傾城(けいせい)阿波の鳴門 順礼歌の段」「日高川嫉妬鱗(しっとのうろこ) 渡し場の段」といった30分前後の演目ばかり。淡路独自のダイナミックな演出を存分に見せる機会が減っていた。

2015年12月には安珍・清姫伝説を題材にした「日高川」の「道成寺の段」を久しぶりに復活上演した。文楽の「日高川入相花王(いりあいざくら)」とは異なる内容で、大阪では上演されていなかった。大蛇に姿を変えて日高川を渡った清姫が、道成寺に入り込み、安珍が隠れる釣り鐘に巻き付くまでを描く。

音源や三味線譜が残っていなかったため、三味線の鶴澤友勇が浄瑠璃を新たに作曲した。「復活上演を通じて、淡路の人形浄瑠璃をもっと多くの人に知ってもらいたい」と友勇は力を込める。

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