2019年8月20日(火)

未知の才能、全国へ 「オール京都」で音楽発信

2015/4/19付
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レコード会社、ライブハウス、CDレンタル店、ラジオ局など京都の音楽業界が連携して、新しいミュージシャンを発掘し、全国に発信していく事業「京音―KYOTO―」が始まった。業態を超え、聴き手とも手を結んだ「オール京都」の取り組みで、地方都市としては異例だ。

「何か面白いことができればくらいの気持ちだったが、思ったより参加者が広がった」。京都市で独立系レーベル(レコード会社)セカンド・ロイヤル・レコーズを運営する小山内信介社長は笑顔をみせる。

京音は同社やCDレンタル店「TSUTAYA」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(東京・渋谷)、エフエム京都(愛称α―STATION)、市内ライブハウス3店など、音楽の作り手、送り手が業態の枠を超えて企画、主催する。

無料ライブに出演するHomecomings(写真上)と、she said(同下)

無料ライブに出演するHomecomings(写真上)と、she said(同下)

広く知られてはいないが、個性豊かな音楽を奏でる関西在住のミュージシャンを発信する。

核になるのは無料ライブイベントだ。初回は22日、ライブハウス「METRO」で開く。Seuss(スース)、she said(シー・セッド)、Homecomings(ホームカミングス)、DENIMS(デニムス)の4バンドが出演。京都出身の人気ロックバンド、くるりの岸田繁を特別ゲストに招く。

初回の出演者は小山内と、同じく京都を拠点にするレーベル、バドミュージックの番下慎一郎社長が選んだ。8月はライブハウス「NANO」、12月は同「KYOTO MUSE」でそれぞれ別の出演者による無料ライブを予定。出演希望者を公募し、その楽曲を集めたCDを発売する計画もある。番下は「バンドだけでなく、ソロアーティストも対象。ジャンルにはこだわらない」と意欲を見せる。

「京音」コーナーではおすすめアーティストのCDが100円で借りられる(京都市のTSUTAYA西院店)

「京音」コーナーではおすすめアーティストのCDが100円で借りられる(京都市のTSUTAYA西院店)

すでにTSUTAYAの京都、大阪、滋賀、兵庫の4府県22店舗に、無料ライブ出演者のCDの専用コーナーを設置。1回100円と通常より低料金でレンタルする。CD店では販売していない盤が多く、彼らの音を聴く貴重な機会だ。

番下と小山内は4月からα―STATIONで始まった新番組「FLAG RADIO」(毎週月~金曜日午後9~10時)で、水曜日のディスクジョッキーを担当している。番組内では出演者らの楽曲や視聴者から送られてきた試作音源なども紹介する。

学生の街京都は昔から先進的な音楽を育む土壌がある。大学で結成したバンドが全国的に成功する例も多く、1970年代には「関西ブルース」と呼ばれるブームの発祥地となった。バドミュージックやセカンド・ロイヤルのように地元に根を張ったミュージシャンを抱えるレーベルが集まっているのも、地方都市としては珍しい。

ただし「個性のあるミュージシャンやレーベルは多いが、これまで個々の活動にとどまっていた」と小山内は指摘する。番下も「小山内とは昔からの友人だが、今まで一緒に事業をしたことは無かった。今回、業界全体がつながることで全国に関西発の音楽を広めていきたい」と話す。

日本レコード協会によると、2014年の音楽ソフト生産額は2541億円とピークの1998年の約4割まで落ち込んだ。市場縮小、アイドルグループなどによる寡占化が進むシーンに、京都発の才能が新風を吹き込みそうだ。=敬称略

(大阪・文化担当 多田明)

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