2019年8月24日(土)

維新派有終、松本雄吉去る 宝塚ヒット作 1000公演 2016年回顧 舞台・音楽・美術

2016/12/18 6:00
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2016年の関西文化界では壮大な野外劇で知られる維新派主宰の松本雄吉、上方落語「四天王」の最後の1人だった桂春団治、文楽人形遣いの吉田文雀らが他界した。一方で宝塚歌劇のヒット作の1000公演、狂言の名跡襲名など明るい話題もあった。演劇・演芸、音楽、美術・学術の各担当記者が振り返る。

維新派を率いて壮大な野外劇を上演してきた松本雄吉氏は6月に亡くなった

維新派を率いて壮大な野外劇を上演してきた松本雄吉氏は6月に亡くなった

【演劇・演芸】小劇場界では、壮大な野外劇で知られる維新派主宰の松本雄吉が6月に死去した。最後に手掛けていた作品「アマハラ」は劇団員らが残された創作ノートを頼りに完成させ、10月に奈良市の平城宮跡で国内最終公演を開いた。「うまれかわり、おまえがいい、あえるかな、おぼえていて」というセリフが夜空へ響き、清爽な印象を残した。

宝塚歌劇団の人気ミュージカル「エリザベート」が初演から20周年を迎え、トップスターの朝夏(あさか)まなと率いる宙(そら)組が公演した。10月の東京公演では上演1000回を達成した。

伝統芸能では1月に上方落語「四天王」の最後の1人だった桂春団治が他界した。六代目笑福亭松鶴、五代目桂文枝、三代目桂米朝と戦後の漫才ブームに押されて存亡の危機にあった上方落語の復興に尽くした。

上方落語唯一の常設寄席、天満天神繁昌亭が9月に開業10周年を迎えた。開業時に三代目春団治が乗った赤い人力車で商店街を回った上方落語協会の桂文枝会長は「四天王の跡を継いで、我々が頑張らなきゃいけない」と気を引き締めた。11月の「戦後復活落語会」で「四天王へのレクイエム」という副題を付けるなど亡き名人たちの偉業をしのぶ催しが続いた。

人形浄瑠璃文楽では人間国宝の太夫、豊竹嶋太夫が2月に現役を引退。山場を語る現役の切場(きりば)語りが豊竹咲太夫1人になり、世代交代が一気に進んだ。3月に現役引退を発表した人間国宝の人形遣い、吉田文雀が8月に逝去した。

能・狂言界では明るい話題が相次いだ。能楽界の重鎮、大槻文蔵が9月に人間国宝に認定。京都が拠点の大蔵流狂言の茂山千五郎家では、十三世千五郎が隠居名の五世千作を、長男の正邦が十四世千五郎を同時襲名した。

■異色のコラボ

大フィルは大編成の「ミサ・タンゴ」で500回目の定期演奏会を華々しく祝った=飯島 隆撮影

大フィルは大編成の「ミサ・タンゴ」で500回目の定期演奏会を華々しく祝った=飯島 隆撮影

【音楽】大阪フィルハーモニー交響楽団が7月に通算500回目の定期演奏会を開催。バカロフの「ミサ・タンゴ」という挑戦的な演目で話題を集めた。首席指揮者の井上道義は来年3月に退任する。

大阪交響楽団は4月から指揮者の外山雄三をミュージックアドバイザーに迎えた。外山は奇をてらわず正攻法の演奏で楽団の音楽を一新した。

異色作曲家とのコラボレーションも話題をまいた。4月にはNHK大河ドラマ「軍師官兵衛」などで知られる菅野祐悟の曲を関西フィルハーモニー管弦楽団が演奏。12月にはロックバンド、くるりの岸田繁が書いた交響曲を京都市交響楽団が披露し、幅広い聴衆を引き付けた。

■瀬戸芸100万人

【美術・学術】3年に1度の瀬戸内国際芸術祭には前回に続き100万人超の来場者が集まった。船に乗り島々を巡るという体験そのものが人を引き付け、作品にも輝きをもたらす。地域再生策として定着し、追随する地域も増えている。

展覧会では国立国際美術館での森村泰昌の個展「自画像の美術史 『私』と『わたし』が出会うとき」が見応えがあった。京都国立近代美術館「アンフォルメルと日本の美術」、兵庫県立美術館「藤田嗣治展」などが注目を集めた。

学術では8~9月に京都市の同志社大学などで、世界考古学会議の第8回大会が開かれた。考古学では最大規模の国際学会で、80カ国・地域から約1600人が参加し、現代社会の様々な課題の解決に考古学が果たす役割を議論した。

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