ホテル多彩に 民泊と争奪戦

2017/6/20 2:30
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関西の中でもインバウンド(訪日外国人)の滞在が集中する大阪市。商業施設や駅・空港へのアクセスが良い中心部ではホテル建設がピークを迎えている。観光や買い物など長期滞在を前提とする訪日客には割安で泊まれる民泊の人気も熱を帯びる。ホテルの多彩なサービスと民泊の値ごろ感。訪日客の争奪戦は激しさを増している。

9日、大阪・中之島に最高級ホテル「コンラッド大阪」が開業した。最上階にあるガラス張りのロビーから市内を見渡せる眺望の良さや、漆塗りの浴槽を用意するなど和の雰囲気を楽しめる空間とした。

積水ハウスはベンチャー企業の和空プロジェクト(大阪市)と組み、天王寺地区に宿坊をイメージしたホテルを4月に開業。写経や精進料理といった"寺修行"と一体となった宿泊プランが話題だ。星野リゾートが2022年開業のJR新今宮駅前のホテルは「ディープな大阪を体感できる」と星野佳路代表自ら足を運んで目を付けた。

「体験」「体感」を打ち出すのは、住宅の空き部屋を貸し出す民泊の台頭に対する危機感だ。ホテルのような手厚いサービスはないが、Wi-Fiなど最低限の設備が整い、旅行客の注目度は高い。訪日客の2割弱が利用するなどホテル利用客を取り込んでいる。

民泊関連事業者も安心・安全に商機を見いだす。清掃代行を提供するグリップ(東京・港)はリネン業者と組み、利用者が忘れ物をした場合に通知するサービスを展開。メトロエンジン(同)ではトラブル発生時のコールセンターや損害保険などをセットにした商品を民泊事業者向けに用意しており、わずか1年でサービスの充実ぶりが目立つ。

訪日客の支持を集める民泊だが課題も山積する。大阪市内で認可を得た正規の民泊は16年末時点で1%に満たない。無許可営業の民泊は旅館業法違反として刑罰の対象になる可能性もあることから、大阪府・市は認定条件の見直しに動く。騒音やごみ処理など周辺住民の暮らしを守るルールの整備も急務となっている。

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