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関電、電気料金引き下げへ 高浜原発の再稼働後

大ガスも対抗検討

関西電力は28日、大阪高裁が同日に高浜原子力発電所3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を認める決定をしたことを受け、再稼働に向けた作業に着手する。原発の営業運転開始後には電気料金を下げる方針だ。一方で大阪ガスも電気とガスのセット契約で対抗値下げを検討。今年4月からの家庭向けの都市ガス小売り自由化で関西の料金競争は一段と激しくなりそうだ。

28日に大阪市内で記者会見した岩根茂樹社長は「値下げ幅は(原発が)再稼働した燃料費メリットをお返しする形で決める」と述べた。関電が電気料金を下げれば、同時に現在の電気とガスのセット料金も下がる。電気とガスの自由化市場で大ガスと競争するための環境がようやく整った格好だ。

再稼働時期については今年1月に高浜原発内で発生したクレーン事故に関する安全対策報告書を福井県に提出した後となるため、「できるだけ早くとは思っているが、再稼働時期は現時点では不明」(岩根社長)としている。

関電は2016年4月に始まった電力小売りの自由化直前の同年3月、大津地裁の仮処分決定で高浜原発3、4号機を停止し、値下げを見送った。料金の高止まりが原因で今年2月末までに家庭向けで約60万件の顧客を大ガスをはじめとした新電力に奪われた。関電は顧客離脱について「価格面が大きな要因」(八木誠会長)とし、原発を再稼働できず電気料金が高止まりする状況に危機感をあらわにしていた。

今回の裁判所の決定を受けて、岩根社長は「離脱した顧客にも、値下げをした時には戻ってきてもらいたい」と述べ、値下げを契機に反転攻勢したい考えを示した。

高浜3、4号機の再稼働後に関電が電気料金を下げることに対して、大ガスは対抗策を打ち出す構えだ。本荘武宏社長は3月の記者会見で「(関電の電気料金に)値下げがあったときは価格を検討する」と表明している。

大ガスは燃料費が安価な石炭火力をベースロード電源に位置づける。愛知県武豊町に建設中の、中山製鋼所と共同出資の石炭火力発電所が17年夏にも稼働すれば、保有電源の価格競争力が高まる。燃料費が石炭より割高な天然ガス火力発電所の稼働を抑えるなどして生まれるメリットの一部を、電気料金を下げる原資にする考えだ。

大ガスから関電にガス契約の乗り換えを申し込んだ顧客数は今年3月末時点で10万件に達する見込みだ。盛り上がりを欠くと言われる家庭向けのガス小売り自由化だが、関西に限っては、既に競争は激しい。原発の再稼働を契機にした一段の値下げ合戦に進展すれば、自由化の商戦の「西高東低」という傾向はさらに鮮明になりそうだ。(塙和也、岩井淳哉)

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