関電、原発再稼働も苦戦続く 純利益20%減 4~6月

2017/7/29 6:00
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関西電力が28日発表した2017年4~6月期の連結決算は、純利益が前年同期比20%減の326億円だった。高浜原子力発電所3、4号機(福井県)が再稼働したが、収益改善分は電気料金引き下げの原資に充てるため、18年3月期通期の業績への効果は限られそうだ。当面は厳しい収益環境が続きそうで、まずは8月1日からの値下げで顧客流出に歯止めをかけられるかがカギになる。

4~6月期の売上高は2%増の7234億円、営業利益は21%減の472億円だった。減益となった主因は燃料費の上昇だ。この期間の原油価格は1バレル=約53ドルで1年前より10ドル以上高い。電力会社には燃料費を電気料金に転嫁する仕組みがあるが、数カ月遅れる時間差があるため、コスト増を料金引き上げに反映しきれなかった。

販売電力量の減少という構造的な問題も影響している。

4~6月期は267億キロワット時と前年同期と比べ6%減った。昨年4月から家庭向けの電力小売りを手がける大阪ガスなどの攻勢で顧客流出が止まらず、料金単価は上がったのに販売収入は減った。28日開いた決算会見で上西隆弘・経理室専任部長は「経営環境は依然として厳しい」と述べた。

新電力への顧客流出や省エネ家電の浸透などで、関電の17年3月期の販売電力量は1215億キロワット時で5年前(12年3月期)に比べて17%減った。18年3月期はさらに前期比6%減の1144億キロワット時を想定している。

関電は東日本大震災が起きた11年以降、原発停止に伴う電力需給の逼迫を受け、夏場に家庭や企業に節電を訴えてきた。最近は目立った呼びかけをしていないのは、販売電力量が減り、供給力に一定の余裕があるという事情がある。

関電は18年3月期通期の業績予想を「未定」としている。「大飯原発3、4号機(福井県)がまだ本格運転に至っていないため」(上西部長)というのが理由だ。ただ大飯原発が再稼働しても、利益押し上げには直結しない可能性が高い。

8月1日からの値下げでは、原資として総額877億円を見込んでいる。6月以降に相次ぎ営業運転を始めた高浜3、4号機による収益改善分の410億円では足りず、さらに経営効率化などで467億円をひねり出す計画だ。

大飯原発が再稼働すると、新電力に対抗した再値下げの原資に充てるとみられ、今期の業績押し上げ効果は見込みにくいのが実情だ。

収益力回復のカギは、大ガスなどに奪われた顧客をどう取り戻すか。4月に始まったガス小売りの自由化では、関電は28日までに19万7千件の契約を獲得した。一方で、8月に関電が電気料金を引き下げても、新電力は対抗して一斉に値下げするため、関電は価格面での劣勢を覆すのが難しい状況にある。

値下げを巡り、各社の消耗戦の様相が強まる中、今秋以降に大飯原発3、4号機が再稼働した場合に関電が追加値下げの幅でどこまで踏み込むかが焦点になる。

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