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外湯めぐりで共存共栄 歴史の遺物「財産区」(3)

軌跡

温泉の人気ランキングで常に上位に入る城崎温泉(兵庫県豊岡市)は、湯島財産区が管理している。4つの源泉と6つの浴場(外湯)を持ち、84軒の宿泊施設にお湯を供給している。うち11軒は財産区の区域外で、タンクローリーで運んでいる。

城崎の特徴は旅館が大きな浴槽を持たず、宿泊客が外湯めぐりをするところにある。豊岡市城崎温泉課の高橋均課長は「共存共栄の精神。散策してもらえば商店や飲食店ももうかる」と話す。

戦前には、旅館内への浴槽設置で訴訟になったことがある。志賀直哉が何度も泊まった三木屋が敷地内で温泉を掘り当てたことによる。裁判は三木屋が勝ったものの、その後和解して小さな浴槽で「我慢」した。財産区の森貞淳一議長は「小さな谷であちこちで掘削したら温泉が枯渇する。外湯をめぐってもらえば地域全体が潤うから、空き店舗も少ない」と話す。

城崎町のインフラ整備が遅れていた頃、財産区は水道やごみ処理まで手掛けた。「昔は山林の木を売って施設の建て替えに充てたが、今は収益にならない」(森貞さん)。企業の保養所や旅館は減り、財産区が多くの外湯を維持していくのは容易でない。

2013年にミシュランの旅行ガイドで二つ星を獲得し、外国人客は急増している。兵庫県には竹田城(朝来市)のように財産区所有の観光地が他にもある。さらなる誘客に向け、財産区と県市の連携はますます重要になる。

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