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240人で金融資産31億円 歴史の遺物「財産区」(2)

軌跡

神戸市には魚崎以上の金融資産を持つ財産区がある。31億円を地方債や定期預金で運用する福谷財産区だ。旧福谷村(西区)はもともと、稲作で生計を立てていた。燃料のまきや堆肥を手に入れる山林、田に水を引くため池は村民が管理する共有財産だった。1889年、この共有地は財産区になった。

転機が訪れたのは50年前。近くにゴルフ場ができ、財産区の土地を賃貸するようになった。バブル期には西神南ニュータウンが開発され、保有地を市に売却。利息と賃料で年間約4000万円の収入がある。自治会などに配分し、240人ほどの旧村民のために使う。

50万平方メートルもの土地や会館を持ち、祭りやグラウンドゴルフ大会を催す。「今は(住民の)9割が兼業農家でサラリーマン。山はほったらかしでジャングルのよう」と同財産区の池内敏明管理会長。旧村民は川の掃除や草刈りに駆り出されるが、財産区の趣旨からは外れつつある。

旧福谷村の多くは市街化調整区域で新住民は少ないが、住民=財産区民ではない。「5年以上住んで会員の3分の2以上が許可すれば入れる」(池内さん)。「よそ者には入ってきてほしくない」。ある役員の本音は、既得権を抱えた集団の閉鎖性を示す。一方で私有地でないため、事業には制約も多い。太陽光発電設備の設置を計画した際は「リスクがあるうえ民業圧迫になりかねない」と市の担当者からやんわり拒否された。

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