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街まるごとリノベーション パナソニック、新たな挑戦

パナソニックが工場跡地を活用した街づくりに取り組んでいる。神奈川県藤沢市で25日、健康や福祉、医療サービスが受けられる新たな複合施設「Wellness SQUARE(ウェルネス スクエア)」のオープン発表会を開催した。住居や商業施設だけでなく、公園も整えて遊休地を先進都市に生まれ変わらせる――。「街まるごとリノベーション」とも言えるパナソニックの新たな挑戦に注目が集まる。

「空間価値を高め、街と周辺の暮らしに貢献したい」。発表会に出席したパナソニックの井戸正弘役員はこう強調した。神奈川県の黒岩祐治知事は「エネルギー自立型でかつ、ヘルスケアを融合するこの街こそ目指すべき街だと感じる」と計画に大きな期待を寄せる。

JR東海道線の辻堂駅から徒歩約20分。総事業費600億円をかけ、東京ドーム4つ分に相当する約19ヘクタールの広大な土地に1000戸の住宅と3000人が暮らす街を整備するという大規模プロジェクトだ。パナソニックのほか、三井不動産やNTT東日本など19の企業・団体が連携して一体整備する。

この場所はパナソニックが1961年、関東に初めて進出した冷熱機器の生産拠点だった。工場の統廃合に伴い2009年に生産を終了。その後、神奈川県や藤沢市などと大規模スマートタウンの建設構想を練ってきた。14年に第1期の整備を終えて以降、300世帯がすでに生活を始めている。

街のキーワードは「100年生き続ける街」。新しい複合施設はそれを象徴するものだ。特別養護老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅、医療施設、保育所や学習塾が入居する。子どもから高齢者まで、3世代が集って交流できる場所だ。

県道沿いには太陽光発電を設置し、平常時は売電によって公共施設の電源に使う。散歩道や公園などの緑地も整え、自然に配慮した街をうたう。

街をまるごと整備する事業はパナソニックの新たな収益基盤になり得る。グループのパナホームの戸建て住宅はもちろん、住民らに配電設備や照明、キッチン用品といった住宅関連商品をまとめて売り込むいい機会になる。横浜市でも工場跡地を利用し、住居や商業施設、米アップルの技術開発センターなどが入る街づくりを進めている。

かつて日本のものづくり企業は全国各地に工場を建て、雇用を生むことで地元に貢献してきた。工場跡地を再整備して街の価値を高めるパナソニックの戦略は、製造業にとって21世紀型の新しい地元への恩返しの一手法といえる。(大阪経済部 鈴木大祐)

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