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強かったメーカー信仰 進化するPB商品(1)
軌跡

2016/8/30 6:00
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消費者の節約志向が高まると注目されるのが、小売り各社が手掛けるプライベートブランド(PB=自主企画)商品だ。メーカー品よりも総じて安いとされ、商品ジャンルとしては生活必需品や消耗品が多い。関西の小売業などが手掛けてきたPBの歴史を振り返ると、当時の消費を取り巻く状況が見えてくる。

ダイエーの13型カラーテレビ「ブブ」は発売当初、低価格で話題を集めた

ダイエーの13型カラーテレビ「ブブ」は発売当初、低価格で話題を集めた

早くからPBに力を入れてきた関西の小売業といえばダイエーだ。神戸市の流通科学大学のダイエー資料館によると、第1弾は1961年に発売したインスタントコーヒー。当時としては珍しいアルミパックで販売され、ぜいたく品ではあったが、売り場には行列ができたという。

ただ、60年代は小売業の規模は今日と比べると小さく、消費者の大手メーカー志向も強かったことから、PBはいきなりは広がらない。そうした中、ダイエーが取り組んだのは大手メーカーとの協業。具体的にはメーカーと連名で売る「ダブルチョップ」と呼ばれる商品だ。

とはいえ当時はメーカー品を安く売ることで消費者の支持を得ていたダイエーと組むことを良しとしないメーカーは多かった。派手な安売りを展開するダイエーの店頭から自社商品を買い占めるメーカーも相次いだ。それでも販売力を認めるメーカーも出始め、62年にはワイシャツのトップメーカー、東洋紡がダイエーと契約を結んだ。ダイエーの社史によると、その後、68年まではダイエーの衣料品のブランドは「ブルーマウンテン」となった。

「ブブ」は中堅家電メーカーのクラウンが製造(神戸市のダイエー資料館)

「ブブ」は中堅家電メーカーのクラウンが製造(神戸市のダイエー資料館)

もちろん東洋紡のような例ばかりではない。対立が先鋭化し、松下電器産業(現・パナソニック)は商品供給を全面停止した。そうした中、ダイエーは70年、自社ブランド「ブブ」の13型カラーテレビを発売した。価格は5万9800円で当時のメーカー品の半値。三宮店(神戸市)では510台用意したが、抽選になったという。

ブブはその後、洗濯機や電卓なども発売。当時を知るダイエーの元幹部は「テレビは中堅メーカーのクラウンに製造してもらったが、その後の売れ行きは厳しかった。その点、三菱電機が生産した扇風機は数十万台の大ヒット。やっぱり消費者のメーカー信仰は強かった」と語った。

大阪経済部次長 永井伸雄が担当します。

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