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もっと関西 電気乗せる波 探る コニシセイコーの無線給電(ここに技あり)
京都市

2017/7/31 17:00
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 コンセントにつながっていない小さなファンに棒をかざすと、突然「ブーン」と音をたてくるくると回り始める――。京都市に本社を置くコニシセイコーの工場(京都府久御山町)で繰り広げられる実験は、手品でも仮想現実(VR)でもない。ファンを回しているのは無線で電気を送るワイヤレス給電の技術だ。

給電用コイルを近づけると、小型のファンが回り出す
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給電用コイルを近づけると、小型のファンが回り出す

 電磁波やコイルを利用し、コードを使わずに電気を送る。NPO法人新共創産業技術支援機構(大阪市)は中小企業を中心にコンソーシアムを結成し、近畿経済産業局の支援事業にも選ばれた。各社が事業化に向けて開発を進めている。

■微調整繰り返す

 中心メンバーであるコニシセイコーの主力は製品検査だが「成長分野の開拓として取り組んできた」(小西義光社長、69)。かつてシャープでロボット掃除機の開発に携わった開発部の副島良一さん(59)は「モーターを動かすのは同じでも給電法が異なる。一からのスタートだった」。

 給電側のコイルに電流を流し磁場の振動を発生させると、同じ周波数で共振する受電側に非接触で電力が伝わるという原理だ。一見、銅線のコイルや回路などを組み合わせるだけの簡単な仕組みに思えるが、周波数が少しでもずれるとファンはぴくりともしない。

 ただ周波数を合わせるだけでもない。共振する周波数はわずかながら幅があり、電力が最も強く流れる中心周波数に設定すると回路が壊れてしまう。中心から少しずらす必要があるが「加減が難しく、計測しては異なるコンデンサーに取り換えての微調整を繰り返した」(副島さん)。この部分だけでも開発に半年以上かかった。

■IoTに活用も

 小西社長は「安価で汎用性の高い小型の仕組みを作り、活用の幅を広げたい」と意気込む。商品化第1弾として子ども向け玩具の開発にも取り組んでいる。

 将来の夢も広がる。あらゆるモノがネットにつながるIoTのインフラを加速させる可能性があるからだ。「家電や工場内の機械に内蔵されるセンサーに非接触で給電できれば裾野が一気に広がる」(小西社長)。便利な社会の実現に向け、電気量や送れる距離を伸ばす試行錯誤を続ける。

文 大阪経済部 岡田江美

写真 淡嶋健人

〈カメラマンひとこと〉 コイルとファンを画面上にうまく配置したいが、位置や角度によって羽根の回り具合が変わってしまう。手にしたコイルを上から、横から、斜めから。近づけたり離したり。ついでに羽根の向きも右に左に……。シャッタースピードも細かく調整しながら撮影した。

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